エスビー食品は7月28日、2022年秋冬シーズンの商品を発表した。同社では3000種類の商品を販売し、年間100種類以上の新製品リフレッシュ品を販売している。今シーズンは、56種類の商品を発売することを明らかにした。
その中でフードテック関連として注目したいのは、サステナブルな新しい食シーンの提案として発売する「With Plants」シリーズだ。動物性原材料不使用のプラントベースのカレールウやレトルト製品などがラインアップしており、いずれも店頭化予定日は8月15日。
パウダータイプの即席ルウとして「With Plants おいしいベジタブルカレー 中辛」「With Plants おいしいベジタブルシチュー」の2製品を発売する。希望小売価格はいずれも300円(税別)。
レトルトカレーは「ベジミートと完熟トマトのマサラカレー 中辛」「大豆ミートとベジチーズのキーマカレー 中辛」の2種類で、希望小売価格はいずれも300円(税別)。このほかに、パスタソース「大豆ミートとごろっとなすのボロネーゼ」「豆乳クリームと燻製こしょうのカルボナーラ」の計6製品がラインアップする。パスタソースの希望小売価格はいずれも270円(税別)。
プラントベースの市場は、サステナブルや地球環境への意識が高まりから認知が拡大していると説明。今回の商品制作の背景には、同社のコアコンピタンスとなるスパイスやハーブも、環境保全やサステナブルと密接に関係していることが挙げられる。
しかし、市場が拡大する傾向がある一報、その味わいについて疑問視する課題もあるという。
今回の製品は「当社だからできる技術やスパイス&ハーブの知見を取り入れた美味しさを追求し、通常商品と同等もしくはそれ以上の完成度を実現している」(ヱスビー食品 広報・IR室の風間茂行氏)と自信を見せる。
商品化にあたっては、プラントベースだから生きる味わいと、日常の食の選択肢となるメニューを選定。レトルトカレーなどの即席商品については、パウダールーの技術を活用している。野菜のうまみ、甘みを生かした上、カシューナッツやオーツミルクなど植物素材でコクを出した。加熱しないスパイスなども使用し、そのスパイス感を高めることで物足りなさを感じないように工夫したという。
ヱスビー食品 広報・IR室マネージャーの浜元美和氏は、コロナ禍における生活様式のニューノーマルの定着に伴い、以前の日常にはまだ戻りきっていないとし、内食のニーズはこれからもまだ続くと説明。
また、SDGsを通じた環境配慮、サステナブル、エシカル消費の広がりという社会情勢を受けて、新しい食品の定着に向けた提案、持続可能性を意識した商品を拡充していくとした。
「ヱスビー食品が取り扱うスパイスやハーブはすべて植物の一部であり、世界中のさまざまな国で生産されていることから、その持続的な調達は、地球環境問題や社会問題と密接に関わりを持ち、当社における重要な課題と認識している」(浜元氏)と説明した。
秋冬新製品は、サステナブルやウェルビーイングの実現をはじめとし、消費者ニーズの多様化に対応。これからも食卓に自然と幸せを届けたいとしている。
なお、同社はパソナグループ、カゴメ、不二製油グループなどが連携し、2021年3月に設立した任意団体「Plant Based Lifestyle Lab」に加入している。植物性食品を取り入れた新しいライフスタイルの普及・啓発と植物性食品の活用を通じた持続可能な社会の実現を目指す取り組みに力をいれている。
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