ヤフーは7月19日、トレジャーデータと連携し、新たなデータクリーンルーム「Yahoo! Data Xross」を2023年春頃に提供開始すると発表した。
ユーザー企業に対し、より深い顧客インサイトの抽出やレポートの作成、分析結果をもとにした有効な広告配信の実施などを提供するという。
顧客データ基盤「Treasure Data CDP」に格納された顧客データを、プライバシー保護を最重視した安全な環境で取り扱える。あらかじめYahoo! Data XrossとTreasure Data CDPとデータ連携すれば、企業のシステム開発負担も軽減できるという。
従来のクッキーベースではなく、顧客IDベースでインサイトの抽出、広告効果の計測が可能。将来的には最適化された広告の配信の実現を目指すとしている。
また、Treasure Data CDPに格納された顧客データを活用してヤフーのデータを分析すれば、顧客のインサイトの可視化、オフラインデータも含めた広告効果の可視化もできるとしている。
なお、Yahoo! Data Xrossを利用した分析結果は、ユーザー単位ではなく、統計データのみ閲覧できるようにシステムで制御するとともに、分析結果の利用は「Yahoo!広告」に限定されるという。
昨今のサードパーティークッキーの規制や「改正個人情報保護法」の施行、iOS14.5における計測環境の変化などにより、企業のマーケティングのあり方が大きく変化しているという。企業は、顧客のプライバシー保護を前提としながら、自社サービス内で顧客との接点を築き、散在する顧客データを統合、分析、活用することで、顧客とのエンゲージメントを強固にする体制の構築がこれまで以上に求められるという。
こうした背景を受け、トレジャーデータが国内外450社以上に提供している顧客データ基盤となるTreasure Data CDP内に格納されたデジタル広告やメール配信、アプリプッシュ通知の履歴などの顧客データを、ヤフーが保持するデータを活用して分析できるYahoo! Data Xrossを開発。
Yahoo! Data Xrossの提供で、これまで困難だった実購買データやオフラインコンバージョンへの広告貢献の可視化などができる世界を目指す。
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