プロントコーポレーションは、6月30日よりパスタ自動調理ロボット「P-Robo」を導入した新店舗「エビノスパゲッティ」1号店を東京丸の内ビルディング地下1階にオープンする。営業時間は11時~22時30分。
P-Roboは、商品のオーダーから麺の茹で、具材・ソースの供給、調理、鍋の洗浄を自動で行えるのが特長だ。冷凍の麺を使い、自動で湯に投入してゆで上げて、独自開発した釜のような形状のフライパンと従来の2倍以上のIHを使った高温調理でオリジナルソース・具材・スパゲッティを一気に絡めて約45秒で仕上げる。メニューごとに異なる調理時間など、熟練の調理技術を再現し、おいしさと調理スピードを両立したという。
盛り付けや客席に運ぶのは人が行う。麺の茹でから調理、鍋の洗浄まで調理ロボットが担当することで、店舗では1~2人の省人化も図れるとしている。価格はパスタが858円(税込)から、おつまみが275円(税込)から。
P-Roboは、プロントコーポレーションと調理ロボットを手がけるTechMagicが共に2018年から研究開発をスタートした。
「社内では(ロボットの導入に)反対意見もあったが、『やってみなはれ』の精神でスタートし、構想から4年かかって、やっと世に出せる日がきた。見ていただくのは、未来の外食のスタンダード」(プロントコーポレーション 常務取締役 インキュベーションカンパニー長の杉山和弘氏)
TechMagic 代表取締役兼最高責任者の白木裕士氏も、「世界初のP-Roboは、(TechMagicの)第1号案件。創業当初は、多くの投資家から未来過ぎるアイデア、まだ成功事例がないなどネガティブな意見があったが、プロントコーポレーションは違った。調理ロボットの可能性を感じていただいた」と振り返った。
店舗はあえて前面にロボットは出さない。カウンター形式で伝統的な昔からある食卓の風景と先進的に変化した現代的要素の異素材を組み合わせ、ハイブリッドな空間を演出する。
「『速さ、旨さに秘密あり』というキャッチコピーをリリースしたが、ロボットを導入することで45秒間隔でパスタが出てくる。一品一品の加熱時間や調理スピードといった熟練の技術を簡単に実現できている。ロボットだからエンタメ要素はあるが、おいしさや居心地、コスパが大切になると思う。なんか速いぞ、おいしいぞ、よく見たらロボットがいるぞ、というローテク×ハイテクのコンセプトを打ち出した」(プロントコーポレーション 企画開発部の石浜俊青氏)
今後について、「本来ならば弊社のビジネス拡大のみにこのP-Roboを活用して他社の事業との差別化を図ればよいのかもしれないが、このすばらしいロボットを活用して、外食業界が盛り上がることに意義があると思っているので活用していきたい。さまざまな場面での導入を含めて、5年で50店舗ぐらいP-Roboを活用した店舗を増やしたい」(杉山氏)と意気込みを語った。
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