コンクリートは世界の二酸化炭素(CO2)排出量の8%を占めている。Metaは人工知能(AI)を利用し、気候変動問題に与える影響がより少ない、新たな製造法を見出そうとしている。
Metaはイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者らと共同で、AIアルゴリズムを活用し、CO2排出量を低減する新たなコンクリート製造法を考案した。イリノイ州デカルブの新たなデータセンターで試験を行ったところ、いくつかの配合で、十分な強度を確保しながら、CO2排出量を40%削減できることが分かったという。
興味深い結果だが、これにはいくつかの注釈がつく。例えば、新しい配合ではコンクリートの養生にこれまでより長い時間がかかる可能性がある。コンクリートの基礎、壁、床などの構造物を待つ時間は、建設のスピードを左右する重要な要素だ。また、この新しい配合で建築がより複雑になるかもしれない。
MetaのサステナビリティプログラムマネージャーAmruta Sudhalkar氏は、Metaによる低炭素のコンクリート配合は、流し込んでから1週間後、4週間後のテストで同社の強度要件を「大幅に上回っていた」と述べている。「材料が適切なコストで入手可能で、建築現場の人々が初期の養生期間が長くなることを許容すれば、原理上は従来のコンクリートに代わるものとなりうるとわれわれは考えている」(Sudhalkar氏)
MetaのAIチームは、コンクリートメーカーOzinga Bros.とも協力し、AIが提案する製造法の開発や試験を実施して、実際の環境でのテストに向けた候補を絞り込んだという。Sudhalkar氏は配合の改善に取り組んでいると述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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