Appleは米国時間4月19日、金、タングステン、コバルトなどの再利用を拡大し、再生素材で製品を製造する取り組みをさらに進めていることを発表した。2021年にApple製品に使われた全素材のうち約20%が再生素材で、再生素材の使用量はこれまでで最も多くなったという。
Appleは、4月22日のアースデイを前に公開した、環境に関する定期的な進捗報告書の中で、同社が出荷した製品に含まれるアルミニウムのうちの半分以上が再生素材由来であり、「多くの製品」の筐体に現在、100%再生アルミニウムが使われているとした。さらに、最新「iPhone」「iPad」「AirPods」「Mac」のメインロジックボードのはんだ付けに使用されるすべてのスズを含めて、同社製品に含まれるスズの30%が再生素材だと述べた。
また、「iPhone 13」と「iPhone 13 Pro」のメインロジックボードのメッキおよび前面カメラと背面カメラのワイヤーに、Apple製品で初めて再生金を導入したことも明らかにした。
Appleによる最新の発表は、人気製品の製造方法を、記録的に需要が高まっているこの時期に改革するという継続的な取り組みの一環だ。Appleは何年も前から環境に優しいイニシアチブを推進しており、2008年に発売した「iPhone 3G」と2009年に発売した「MacBook」から継続して、各製品の環境報告書を公開している。
Appleは、取り組みを特に公にしている企業の1つだが、環境保全に対する取り組みを約束している企業は同社だけではない。サムスンは2022年1月に開催されたCESの基調講演で、2025年までにテレビや家電製品のパッケージを再生素材にすると宣言した。
Appleはここ数年、カーボンニュートラル達成の公約に加えて、サプライチェーンパートナーを対象とした環境保全イニシアチブを発表するなど、傑出した姿勢を示そうとしている。報道関係者や競合他社を招いて、さまざまなリサイクル技術を披露してもいる。例えば、これ以上修理できなくなったiPhoneを分解して、廃棄物として捨てられるはずのガラスや金属などの素材を回収する処理を支援するための自動ロボットを公開している。
この処理を行う最初のロボットが、2016年に発表された「Liam」で、「iPhone 6」を処理するものだった。2018年に発表された「Daisy」は、1時間に最大200台のiPhoneをリサイクルするロボットだ。米CNETは3年前、Appleのテキサス州オースティンの施設に招かれ、稼働する長さ33フィート(約10m)のDaisyを見学した。この時、Daisyは2012年の「iPhone 5」から2018年の「iPhone XS」まで15種類のiPhoneモデルの分解が可能だった。Appleは19日、このロボットが現在、23種類のiPhoneモデルの分解に対応することを明らかにした。同社は「Dave」というロボットも保有している。これは、アラートなどのために振動を生成する「Taptic Engine」を分解するロボットだ。
そして同社は19日、最新ロボット「Taz」を発表した。Tazは「破砕機に似た新しいテクノロジー」を採用してオーディオモジュールから磁石を分離し、より多くの希土類元素を回収するという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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