NTTドコモは3月23日、月額2970円で20GBの通信量が利用できるオンライン専用プラン「ahamo」のオプションサービスとして新たに6月から、月額1980円で80GBのデータ通信量を追加するオプションサービス「ahamo大盛り」の提供を開始すると発表。同日にはその詳細に関する説明会をオンラインで実施した。
説明会に登壇したドコモの営業本部 ahamo推進室長である岡慎太郎氏は、まずahamoの現状について説明。ahamoは2021年3月26日にサービスを開始しているが、その後契約数は順調に推移しており、2022年3月時点では契約数が300万目前という規模に達しているとのこと。その比率についても「30代以下で過半」と岡氏は話しており、想定通り若い世代を獲得できているという。
そして間もなくサービス開始から1年を迎えるに当たり、ahamoをさらに進化させるべく、ahamo大盛りを6月から提供開始するとのこと。従来通り家族契約や固定回線の契約にかかる割引などはなく、1人で契約しても月額4950円で100GBのデータ通信が利用できるという。
岡氏はahamo大盛りを提供するに至った背景として、データ通信需要が年を追うごとに高まっていることを挙げている。中でもahamoがターゲットとしている20〜30代の若い世代はその傾向が顕著とのことで、昨今のリモートワークやリモート授業などの需要が高まったこともそうした傾向に拍車をかけているという。
岡氏は実際、ahamoでも20GBの通信量を超える人が一定数いると回答。ユーザーのアンケートでもより大容量を求める声が出てきており、ニーズの高まりから大容量のオプションを提供するという判断に至ったようだ。
また同社の調査によると、スマートフォンの通信速度を重視し、あえてWi-Fiに接続しないという利用実態も見えてきたとのこと。Wi-Fiがない環境にいる時間が長かったり、固定回線が不安定でスマートフォンの通信を使ったりする人も多いことから、「そうした人達にこそahamo大盛りを利用して欲しい」と岡氏は話している。
ahamo大盛りの提供時期は6月とやや先になる。そのため同日からサービス開始前日までの間は、事前エントリーと契約により「dポイント」をプレゼントするキャンペーンを実施するとのことだ。
競合他社のオンライン専用プランは、どちらかといえば小容量で低価格を求めるユーザーに向けた施策を強化する傾向にある。だが岡氏は、ahamoがデータ通信需要が大きい若い世代に向け、オールインワンパッケージで提供する施策が支持を得ていること、また小容量を求める人に向けては「ギガライト」や「エコノミーMVNO」の選択肢を提供していることから、現時点ではahamoで小容量のプランを提供する考えはないと話す。
一方で、ahamoは元々20GBの中容量プランとして提供しており、データ通信が使い放題となる「5Gギガホ プレミア」などとは通信量で住み分けが図られていた。だがahamo大盛りの登場で、その境界線が曖昧になってしまった感は否めない。
この点について岡氏は、「ahamoは中容量であったことに加え、オンラインで手続きするプランで、シンプルで分かりやすいことがコンセプトにあった。そこは継続したままデータ需要の高まりを踏まえてオプションを用意した」と回答。ahamoは若い単身世代を狙ったシンプルさとオンライン専用であることを重視する一方、5Gギガホ プレミアなどは使い放題であることに加え、ドコモショップでのサポートや家族契約などでメリットがあり、利用スタイルでの住み分けはできるとの認識を示した。
またahamo大盛りで80GBの容量のオプション1つしか用意した理由について、岡氏はやはりahamoがシンプルさを重視していることから「たくさん選択肢を用意すると顧客を迷わせるので、一択にした」と説明。現時点で他のオプションを追加する予定はないというが、今後の競争環境変化によっては「新しいオプションを考えない訳ではない」とも岡氏は話している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス