「Second Life」や「Minecraft」「あつまれ どうぶつの森」といった仮想空間サービスは以前から存在していたし、アイデアそのものは目新しくないメタバースだが、2020年代に入って注目度が急上昇した。メタバースへの取り組み強化を打ち出す企業が大量発生し、Facebookは社名をMetaに変更したほどの入れ込みようだ。
そのようなタイミングに合わせたのか、Appleは、仮想空間に現れたり、仮想空間から消えたりするアバターへ特殊効果を加える技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間1月11日に「SPECIFYING EFFECTS FOR ENTERING OR EXITING A COMPUTER-GENERATED REALITY ENVIRONMENT」(特許番号「US 11,222,454 B1」)として登録された。出願日は2021年2月16日。
この特許は、ユーザーが仮想空間に参加して画面に登場するときや、仮想空間を抜けて画面から消えるときに、そのユーザーを示すアバターへ特殊効果を付加する技術を説明したもの。たとえば、ユーザーが参加を選ぶと、画面上の仮想空間内に煙が立ち上り、そのなかからアバターが現れる、といった映像表現を生成する。退場時にも、同じような映像表現を加えることが可能だ。
クレーム(請求項)では仮想空間とだけ述べており、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、複合現実(MR)などさまざまな環境に適用可能だ。もちろん、メタバース空間でも、同様の処理が実行できる。
付加する特殊効果は、実施例で煙や光、つむじ風、穴へ落ちる動作を使って説明しているが、具体的な内容に制約はない。また、映像を変化させるだけでなく、音や振動、匂い、風など、ユーザーに対するさまざまな働きかけが特殊効果として使える。特殊効果の内容は、ユーザーが個別に選べる。
さらに、特殊効果の動作を事前に確認できる、プレビュー機能についても言及している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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