NTTデータ1月27日、クラウド型健康管理ソリューション「Health Data Bank」の新機能として、「バイタル測定サービス」の商用提供を開始すると発表した。
同社は2002年より、健診結果などの健康データを収集・蓄積・分析するクラウド型健康管理ソリューションHealth Data Bankの運用を行っている。これまで、企業などの従業員の健康管理や健康経営、顧客の健康データに基づく商品開発など、健康データを利活用するさまざまなユースケースに提供。顧客やパートナー事業者とのコラボレーションにより、新しいサービスや技術の拡充を図ってきた。
その一環として、企業と国の垣根を超えて、世界の先進的ベンチャー企業とビジネスイノベーションを創発する活動「豊洲の港から」を通じ、バイタルデータなどに関するサービスや、技術を有する国内外複数のスタートアップ企業の技術・顧客反応を調査。
その結果、カナダのスタートアップ企業「NuraLogix Corporation」の技術が高い評価を得ていたという。
そこで、NuraLogix Corporationの技術を活用したバイタル測定サービスについて、スマートシティや食品・美容などの複数業界の企業と連携。2021年4〜6月に有用性検証を実施した。また、2021年10月には「世界体操・新体操選手権北九州大会」にあわせて開催された「フレイル予防を啓発するイベントSante Gym」にて、高齢者へのプロトタイプサービスを提供している。
このような取り組みを通じて、さまざまなユースケースでの有用性が確認できたことから、同サービスの商用提供を開始することになった。
Health Data Bankのバイタル測定サービスでは、スマートフォンやタブレットにダウンロードした「バイタル測定アプリケーション」を使用。スマートフォンに内蔵されたカメラなどを利用し、30秒間撮影した顔の動画情報を解析することで、血圧、心拍数、ストレスレベルなどのバイタルデータの推定値を算出する。
同機能には、一般に普及しているスマートフォン・タブレットなどのカメラで撮影した顔の動画情報を解析して皮膚下の血管内の血流量を特定し、血流量の変動を解析してバイタルデータを推定する「NuraLogix Corporation」の特許技術を活用している。
特別なデバイスを準備することなく、生活者が日常使用しているスマートフォンなどを活用し、生活者の心身の健康状態を推定することで、「生活者の日々の健康管理」や「企業の従業員ストレスケア」、「企業の健康データ利活用ビジネス」など、健康データを活用した取り組みの可能性が広げられるという。
なお、同サービスは医療機器ではないため、医療目的(疾病の診断・治療・予防など)の使用はできない。
同社では、「企業等の従業員健康管理」や「健康データ利活用ビジネス」などのさまざまなユースケースにおいて、同サービスの展開を予定。直近では、柏の葉スマートシティ(三井不動産)の生活者向けヘルスケアサービスとして同サービスを提供する。
加えて、本人同意の元でバイタル測定結果を他のサービスに連携することで、新たな価値の創出に取り組むという。
また、美容・食品業界や小売業界などの複数企業においては、顧客のバイタル測定結果と自社で管理している他の情報を組み合わせて分析し、顧客の健康状態に応じた最適商品を提案することを計画している。
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