世界的な半導体不足のあおりを受けて、キヤノン製プリンターの一部のモデルで、純正トナーカートリッジを偽造品と誤認したり、カートリッジが入っていないとみなしたりする事態が起きている。
キヤノンは通常、自社のプリンターにセットされたカートリッジが自社製であることを確認したり、トナーの残量を監視したりするために、半導体のチップを利用している。だが、Canon U.S.A.は米国時間1月12日、一部の複合機向けにチップのないトナーカートリッジを出荷していることを認めた。ただし、カートリッジ自体が不足しているのではなく、通常ならカートリッジ内に搭載されるはずのチップのみが不足していると強調した。
USA Todayが同日、公式発表に先んじて報じたように、Canon Europe(欧州)とCanon Deutschland(ドイツ)は相次いでウェブサイトにサポートメッセージを掲載し、このプリンターの問題の影響を受ける顧客に回避策を提示している(編集部注:日本国内ではキヤノンマーケティングジャパンが2021年12月15日、この問題の状況と対応策を公開している)。
キヤノンのウェブサイトによれば、影響を受けるのは19機種で、そのすべてが大型複合機だ。同社はメッセージの中で、チップがなくても印刷品質に影響することはなく、「トナー残量が正しく表示できないなど」付随機能の一部に影響があるのみだと説明している。
半導体不足の影響は、自動車やスマートフォン、ゲーム機などありとあらゆる製品に及んでおり、今回のプリンターの問題はその最新の事例と言える。サプライチェーンの混乱が続く中で、メーカー各社はこの問題が今後さらに複雑化するのを避けるため、解決策に取り組んでいる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス