Meta(旧Facebook)は米国時間12月16日、100カ国以上でジャーナリスト、人権活動家、政治家などの監視に使われているソフトウェアやサービスを販売する企業7社を、利用禁止にしたことを明らかにした。
Metaのサイバーセキュリティチームが発行した報告書によると、今回禁止措置を受けた企業はイスラエルのCobwebs Technologies、Cognyte、Black Cube、Bluehawk CI、インドのBellTroX、北マケドニアのCytrox、中国の未知の団体。
これらの企業は自社のサービスやソフトウェアについて、犯罪者やテロリストの逮捕を支援するためのものだとしているが、Metaは数カ月にわたる調査の結果、それらのサービスがそのような組織以外の人物を標的に使われていると判断したという。そのための手口として、偽アカウントを作成して他人のソーシャルメディアプロフィールや友達リストを検索および参照したり、架空の人格を使って他人と交流したり、悪質なリンクをクリックするようにユーザーを誘導してアカウント情報を提供させたりするものがあったとしている。
「当社が削除し、この報告書に示した『Surveillance-For-Hire』組織は、複数のコミュニティー規定と利用規約に違反していた。違反の重大性を考慮して、それらの組織による当社サービスの利用を禁止した」と、報告書には書かれている。Surveillance-For-Hireとは、インターネット上で機密情報を収集する業界のことだ。Metaはこれらの企業の顧客名を挙げなかったが、個人、法律事務所、企業などが含まれていたとした。
Metaは、7つのSurveillance-For-Hire組織とつながりのある、合計で約1500件のアカウントをFacebookと写真共有サービスInstagramから削除し、利用停止通告も発行した。また、これらの企業の標的になっていたと同社が考える、約5万人の人物に警告したという。
Facebookでは、他人を欺くために偽アカウントなどによって、同ソーシャルネットワーク上で身元を偽る行為が禁止されている。同社は、法執行機関は法律に基づく要請書を提出することにより、同プラットフォームからの情報開示を求めることができるとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」