ウィナスは12月13日、フードロスの削減および、新たな販売形式を検証する実証実験を開始すると発表した。期間は、2022年1月31日までの予定。
フードロスとは、本来まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。農林水産省・環境省から発表された「食品ロス量」(平成29年度推計値)によると、日本における1年間の食品ロスは612万トンとされており、これを国民1人あたりに換算すると、「お茶碗約1杯分」(約132g)の食べものが毎日捨てられていることになる。
消費者、食品メーカー、食品業界の卸売業に対して、同社が実施した「賞味期限切れ間近の食品(切迫商品)に対する意識調査」では、消費者の8割強から訳あり商品であっても「購入に抵抗はない」という回答があった。
また、メーカーの約9割は、自社商品のフードロスに「課題を感じる」という回答。卸売業者の約7割からは「商品の在庫処分に課題を実感」との回答を得ている。
なお、訳あり商品をお得に購入できるサービスの「利用経験あり」および、「利用したい」と回答した消費者は合わせて9割以上であり、切迫商品などの将来的にフードロスとなってしまう商品・在庫を一般消費者に直接販売できるサービスに興味をもつメーカー、卸売業者はともに7割を超えている。
一方で、訳あり商品購入サービス利用の際の懸念として、消費者の「同じ商品がまとまって届くため、消費しきれず無駄になってしまう」、メーカーの「廃棄コストが安いと廃棄してしまうジレンマ」、卸売業者の「少量・切迫商品の販売が難しい」といった声もある。
そこで、消費者側のジレンマとメーカー側のジレンマとを解決する手段として、インターネットによる商品購入サイト「SUKUERU」を立ち上げ、フードロスの削減および、新たな販売形式の検証と普及を目的とした実証実験を実施する。
具体的には、賞味期限間近や季節商品の入れ替えなどで店頭に並べられなくなった商品、パッケージが古くなってしまった商品、箱・パッケージのキズやつぶれてしまった商品などの訳あり品を、メーカー・卸から同社が買い取り、福袋形式で販売するという。
福袋のサイズはL(3850円)とS(1650円)の2サイズを用意し、Lサイズは7000円相当、Sサイズは3000円相当の商品が含まれる。
同社によると、賞味期限が近いものから福袋に入れる仕組みにより、仕入れた訳あり商品がさらなるフードロスにならないようにする配慮しているという。
なお、消費者が自身で選択した必ず入れたい商品の指定も可能(福袋の大きさによって、指定できる商品の個数は変更される)。取り扱い品目は、食品(加工食品)、飲料、菓子となっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」