ピッチ2社目は、理系学生の新卒採用サービス「LabBase」を運営するPOL。登録学生数3万6000人以上、登録企業数400社以上という「国内最大級の理系キャリアサービス」で、企業にとって重要な研究開発に携わる優秀人材の獲得を支援するプラットフォームとなっている。
昨今ではAIエンジニアやデータサイエンティストという文脈で理系学生の注目度が高まっている。とはいえ、理系の領域は幅広く、学生視点では「研究が将来にどうつながるのか、社会の何に役立つのか」が不透明に思えてしまうこともある。
一方、企業側の視点では「どこでどんな研究をしているのか、どんな研究が自社のビジネス役に立つのか」に気づきにくい。このように学生と企業との間に「分断が生じている」ことから、その溝を埋める、あるいは橋渡しするためのサービスとして、2017年にLabBaseが生まれたという。
同社が事業共創に至ったのは2社。1社は富士フイルムシステムサービスで、「理系の変革リーダー人材を輩出するためのインターンシッププログラムの開発」を共同で実施したもの。
「現場社員の業務に入り込むような実践的・実務型のコンテンツ」を設計し、人事担当者だけでなく、企業の最前線で活躍しているSE職を巻き込んで、「理系の変革リーダー人材とはどういう人材なのか、というところから定義し、インターンシッププログラムを企画設計」したのがポイントだという。
もう1社の事業共創パートナーは電通で、「研究のための研究ではなく、研究を経営課題解決に活かす」ことをコンセプトとしたプロジェクト「LABmeets」を立ち上げた。学生が企業に一時的に属して業務の現場を学ぶ単なるインターンシップに止まらず、企業と実際の研究・事業プロジェクトを進める「Joint Researchを生み出す仕組み作り」が狙いだ。
ピッチでは、子ども向けの遊戯施設を運営するイオングループの企業、イオンファンタジーの実際の経営課題に対し、学生が「研究を活用した解決策」を提案した実例も紹介。「子どもがどんなときに喜んでいるのか、AI活用で子供の遊びを科学できないか」といった課題に対して、同社の施設で遊んでいる子どもの行動をAIカメラで分析し、行動データを収集することで、新たな商品開発にもつながるような気づきを得ることを狙った。
POLの宮崎氏は、これらの取り組みについて、将来的にはインターンシップ先に入社するという流れができるのはもちろんのこと、「学生でありながら社員でもある、というような、いろいろな働き方が生まれてくる可能性がある」と語った。
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