焼肉用代替肉「NEXTカルビ」、肉サイズ大きく2.0へ--ネクストミーツ

 ネクストミーツは、焼肉用代替肉「NEXTカルビ2.0」の販売を10月18日より開始した。大豆を主原料とした100%植物性のカルビ風加工食品で、公式オンラインショップで購入できる。

大豆を主原料とした100%植物性のカルビ風加工食品「NEXTカルビ2.0」。食感と見た目を改良し、カルビらしいサイズ感へ。ごはんが欲しくなる焼肉タレ味
大豆を主原料とした100%植物性のカルビ風加工食品「NEXTカルビ2.0」。食感と見た目を改良し、カルビらしいサイズ感へ。ごはんが欲しくなる焼肉タレ味

 「NEXT焼肉」シリーズをver1.1からver2.0へと1年ぶりに進化させたもので、食感と見た目を改良し、さらに肉に近づけた。価格は1つあたり390円(税込)。同社のウェブサイトでは80g×5パックセットのみ1950円(税込)で販売している。ver1.1も引き続き販売する。

 「NEXTカルビ」と「NEXTハラミ」は、2020年に焼肉チェーンの焼肉ライクとコラボレーションし、話題を集めた。6月には全国のイトーヨーカドー店舗でも取り扱いがスタートするなど、順調に拡大している。

NEXTカルビ2.0(左)とNEXTカルビ1.1(右)。ver1.1も併売する
NEXTカルビ2.0(左)とNEXTカルビ1.1(右)。ver1.1も併売する

 NEXTカルビ2.0のポイントは(1)食感が大幅に向上、(2)より肉らしい大きなサイズ、(3)味付けの工夫による肉らしい味――の3つ。

 食感を上げるために、たんぱく質含有量を5%ほど増加した。また1年におよぶ実験で得たデータをもとに、代替肉製造の機械(エクストルーダー)で製造時に設定する熱・水蒸気・圧力という3つのパラメーターの設定を変更。これにより食感が向上し、肉の噛みごたえに近づいたという。

進化のポイント
進化のポイント

 ネクストミーツ 取締役会長の白井良氏は「理想の肉感を出すのが難しく、(パラメーターの設定は)海の中の砂を見つけるような作業の日々。地道な作業だった」と苦労を明かした。

 もっとも難しかった点は、NEXTカルビ2.0のサイズ感だったという。「大きいままでキープするために歩留まりが悪く、タンパク質含有量を増やしたのもいろいろ模索した結果」(ネクストミーツ 代表取締役 佐々木英之氏)

NEXTカルビ2.0を試したモニターの声
NEXTカルビ2.0を試したモニターの声

 ネクストミーツは、「地球を終わらせない。」を理念とし、フードテックの分野から気候変動問題の解決に取り組んでいる。

 佐々木氏は、「肉より安くておいしいとなれば、みなさんに食べていただける世界になると考えている。そのためにできることをし、いろいろな面で進化させていく。日本は大豆ミートというワードが定着していると感じているが、それは違うのではないか。たとえばBeyond Meat(植物由来の人工肉を製造・開発する米国企業)は大豆を使っていない。よりサステナブルな原料を、時代に合わせてテクノロジーの進化とともに選んでいく。一番サステナブルな地球環境にいいものを選んでいきたい」と語った。

 また、「気候変動問題は日本だけでは解決できない」として、米国、シンガポール、ベトナム、台湾、香港など10を超える国・地域に進出している。

 さらなる拡大に向け、2022年1月にラスベガスで開催される大規模展示会「CES 2022」に出展予定だ。代替肉が先行する米国など、海外の競合とどう戦っていくのか。

 「ミンチ肉ベースが多く、(NEXTカルビのような)スライス肉はあまり出ていない。また、無添加で、添加物を避けてさけておいしいものをスライス肉でつくり、日本から世界へという図式の和食を世界に広めていく。ユネスコ無形文化遺産となる“和食”で差別化し、特長を出していく」(佐々木氏)と説明した。

今後の展望
今後の展望

 なお、新潟県長岡市にあるR&Dセンター「NEXT Lab(ネクストラボ)」では、大豆に限らず幅広い代替タンパクの研究開発に取り組んでいるという。11月には自社工場「NEXT Factory(ネクストファクトリー)」の着工を予定し、2022年夏ごろから稼働予定だ。

ネクストミーツ 代表取締役の佐々木英之氏(左)とクストミーツ 取締役会長の白井良氏(右)
ネクストミーツ 代表取締役の佐々木英之氏(左)とクストミーツ 取締役会長の白井良氏(右)

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