――日本上陸から約1年が経過しました。日本市場への参入で難しかった点などは。
オーストラリアの会社ということで、不安に思われる方がいることは事実です。そこは日本人のスタッフがいること、日本語で発注ができること、ウェブサイトも日本語対応していることなどをご説明して、ご理解いただけるようになってきました。
ただ、日本の不動産業界には、新しいサービスにアンテナを張っていらっしゃる人も多く、新サービスでも受け入れていただきやすい土壌があります。バーチャルステージングなどは引きも強く、知名度が上げ、さらに普及していければと考えています。
――BoxBrownie.comのサービスは、まさに売上を伸ばすマーケティングツールですよね。日本の不動産会社は、業務支援や業務効率化の部分よりも、広告費にお金をかける傾向があるので、そういう意味でも受け入れやすいサービスだと思います。また、新型コロナによって対面での内見が難しくなるなか、代替策としてバーチャルツアーなどは、ニーズが高まっていますね。
確かに、実際に内見ができないのでバーチャルツアーで、というご依頼は多くなってきました。オーストラリアでは不動産投資が盛んなので、シンガポールからバーチャルツアーを使って内見して、買い手が決まったというケースも出てきています。この動きについては、新型コロナ感染拡大防止を受けている現在の期間だけということではなく、今後ある種のスタンダードになるかなとは思っています。
――追い風が吹いている御社のサービスですが、今後の展開は。
まずは日本における知名度を上げたいと考えています。現在、グローバルでの利用数が4位なのですが、これを3位に押し上げたい。バーチャルステージングなど競合の多いサービスもありますが、BoxBrownie.comの強みは、画像加工、アイテム除去など不動産に関する画像周りをトータルで低価格に提供できる部分だと思っています。
世界中に編集者がいるため、クオリティにばらつきがあるのではと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、弊社ではテストを実施するとともに、ガイドラインを構築し、それにそった運営をすることで品質を担保しています。そうしたノウハウを蓄積しつつ、スピードと低価格を維持できる。そうした強みを最大限にいかしながら、不動産業界における画像の底上げを図っていきたいと考えています。
森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点Jリートの上場に参画。太陽光パネルメーカーCFO、三菱商事合弁の太陽光ファンド運用会社CEOを歴任。クロージング実績は不動産や太陽光等にて3500億円以上。2016年に不動産テックに関するシステム開発やコンサル事業等を行なうリマールエステートを起業。日本初の不動産テック業界マップを発表するとともに、不動産テックに関するセミナー等を開催するほか、不動産会社やIT企業に対してコンサルティングを実施。自社においても不動産売買支援クラウド「キマール」を展開。2018年、不動産テック協会の代表理事に就任。早稲田大学法学部を卒業後、政治学修士、経営学修士を取得。コロンビア大学院(CIPA)、ニューヨーク大学院(NYUW)にて客員研究員を歴任。
大手システムインテグレーターを経て、2008年より現職。経営学修士(専門職)。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。金融・通信・不動産・物流・エネルギー・ホテルなどの幅広い業界を守備範囲とし、近年は特に不動産テック等のTech系ビジネスやビッグデータ、AI、ロボットなど最新テクノロジー分野に関わるテーマを中心に手掛ける。2018年より一般社団法人不動産テック協会の顧問も務める。
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