順天堂大学は8月4日、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と、ドライアイが環境要因、生活習慣、遺伝要因とどのように関連するのか明らかにする共同研究を8月12日に開始すると発表した。
ドライアイは、日本で2000万人、世界で10億人以上が罹患する最多の眼疾患。超高齢社会、ウィズ/アフターコロナにおけるデジタル社会において、今後も増加すると推察されている。
ドライアイの症状は、乾燥感だけでなく、羞明(通常は苦痛を感じない光量に対して、まぶしさなどの不快感や眼の痛みなどを生じる状態)、眼精疲労、視力低下など、多岐にわたる。
また、ドライアイは多因子疾患であり、湿度・花粉・PM2.5などの環境因子、食事・喫煙・運動・モニター使用時間・コンタクトレンズの装用などの生活習慣、加齢・性別(女性)・遺伝・家族歴などの宿主因子が複合的に関連。発症や経過に影響を及ぼしている。
治療は点眼による対症療法が主体であり、根治的な治療方法は確立されていない。そのため、ドライアイの発症や重症化を未然に防ぐ、予防医療や個別化医療が重要となっている。また、従来の研究手法では、個々人の多様な自覚症状や関連する生活習慣などとゲノム情報の包括的な収集が課題となっていた。
そこで両者は、コホート調査(生活習慣などの遺伝要因・環境要因などと疾病発症の関係を解明するための調査)にドライアイ用アプリ「ドライアイリズム」(iOS/Android)を組み込んで、眼に関連するさまざまな情報を収集。ドライアイが環境要因、生活習慣、遺伝要因とどのように関連するのかを明らかにする研究を開始する。
期間は、8月から2022年6月まで。ToMMoが詳細な健康調査を実施するために仙台市に設置した地域支援仙台センターにおいて、健康調査に来所した人を対象者としている。目標参加人数は、3000名。
なお、同研究により、ドライアイ症状の点数化、生活習慣との関連、労働生産性、抑うつ症状などの情報が得られるという。
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