パナソニックは、2022年3月期度第1四半期(2021年4~6月)連結業績を発表した。売上高は前年同期比28.8%増の1兆7924億円、営業利益は前年同期の37億円から大きく改善して1043億円、税引前利益は同30億円の1085億円、当期純利益は98億円の赤字から、765億円の黒字となった。また、調整後営業利益は前年同期の59億円の赤字から1195億円の黒字に転換した。
営業利益が1000億円を突破したのは、リーマンショック直前の2008年度第1四半期以来、13年ぶりとなった。また、調整後営業利益額では、過去最高益だった1985年度第1四半期以来の水準となっている。
パナソニック 取締役専務執行役員兼CFOの梅田博和氏は、「売上高は、オートモーティブやアプライアンスにおけるコロナ影響の回復、インダストリアルソリューションズの伸長によって増収となった。調整後営業利益は、増販益に加え、事業の状況に応じたコストコントロールにより、前年度の赤字から黒字転換し、大幅な増益となった。また、営業利益や純利益は、その他損益における前年度の一時益の反動があったものの増益となった。フリーキャッシュフローは、純利益の確保に加えて、運転資金の良化により、半導体逼迫などによる在庫増加をカバーし、前年度のマイナスから大きく改善した」と総括した。
第1四半期は、すべてのセグメントで増収増益を達成。空調・空質、ホームアプライアンス、車載電池、情報通信インフラ向けなどの社会変化を捉えた事業の伸長、前年同期にコロナ影響を受けた事業の回復などが増収につながった。
セグメント別業績では、アプライアンスの売上高が前年同期比22%増の6743億円、営業利益は177%増の421億円となった。
ルームエアコンを含む空調冷熱ソリューションズの売上高は前年同期比17%増の1688億円。白物家電などのホームアプライアンスの売上高は前年同期比15%増の2273億円。テレビなどのスマートライフネットワークは53%増の1107億円となった。
「コロナ影響からの回復に加え、ホームアプライアンスや空調が堅調に推移。拡売費の抑制などの経営体質の強化により、原材料高騰影響をカバーして、増収増益になった。テレビ事業も黒字化している」という。また、「コロナ禍において、生活空間をよくしたい、家事を便利にしたいというニーズに応える商品を、必死になって作ることに集中している」とした。
ライフソリューションズは、前年同期比9%増の3552億円、営業利益は127%増の126億円となった。「市況の回復を受け、国内外の配線器具などが好調に推移した」という。
コネクティッドソリューションズの売上高は前年同期比13%増の2085億円、営業損失は前年の160億円の赤字から、2億円の黒字となった。「ICT端末や5G関連機器の需要増により、実装機の販売が好調なプロセスオートが牽引。アビオニクスは、減販となっているが、固定費削減効果もあり、赤字幅が縮小した。飛行機が飛ばなくなっており、それにあわせて経営体質の徹底した強化を図ってきたこと、通路が一本だけのナローボディ機に商品をシフトし、これが受注につながっている。欧米では国内便が飛びはじめており、サービス事業が回復してきている」とした。
オートモーティブの売上高は前年同期比77%増の3737億円、営業利益は前年の95億円の赤字から、98億円の黒字に転換。「自動車市場回復で車載機器はIVI(In-Vehicle Infotainment)中心に伸長。車載電池は需要増加が寄与した。車載機器および車載電池ともに増販による収益貢献が大きかった」と述べた。
インダストリアルソリューションズは、売上高が前年同期比24%増の3576億円、営業利益は同284%増の353億円となった。「車載機器や工場省人化、情報通信インフラ向けのコンデンサ、産業用モーター、蓄電システムなどが増販となり、半導体事業譲渡による減販をカバーした。原材料高騰の影響があるが、生産性改善により増益となっている」とした。
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