朝日新聞社は7月12日、運動通信社が運営するインターネットメディア「スポーツブル」で展開する高校野球ライブ中継サービス「バーチャル高校野球」について、朝日放送テレビなどと地方大会全試合中継を目指すプロジェクトを立ち上げ、記者発表会でその内容を説明した。
バーチャル高校野球は、コロナ禍においても安心して球児を応援できる環境を構築することで、より多くのファンが高校野球を楽しめるサービス。2015年に同社と朝日放送グループホールディングスが共同でスタートした。昨今のコロナ禍で球場の観客制限が発生している状況でも“誰もが、いつでも、どんな場所でも高校球児を応援できる”というメリットがある。
地方大会の中継にあたっては、ネットワークの中継インフラ整備などをKDDIが担当するほか、朝日放送や同系列局、独立局、各地方のケーブルテレビも協力しているという。
会見に登壇した朝日放送テレビ 取締役の今村俊昭氏は「一試合でも多くの試合を届けることが、ひとりでも多くの球児の想いを伝えることでもある」とコメントし、バーチャル高校野球を通じてファンを増やしたいと意気込みを語った。
2020年は新型コロナウイルスの影響で公式大会が中止になるなどの影響があり、独自大会など約1100試合を中継した。2年ぶりの開催となる2021年度は「第103回全国高校野球選手権大会」の地方大会の約6割にあたる2400試合以上を中継する。また、新サービスとして、同時に最大5試合を1画面で視聴できる「マルチビュー」機能、スマートフォンの小型画面でも楽しめる「スーパープレイ動画」、有料の「見逃し配信」機能なども実装する。
見逃し配信について、同じく登壇した朝日新聞社の執行役員である高野健一氏は「配信試合数が大幅に増えたことで、マルチビュー機能などを使っても見逃してしまうことがあると思う。記念として、出場選手の親族が試合を見たり、映像として録っておきたいというニーズもあると思う」と話し、1試合単位から購入できることで、さまざまなニーズに応えられると訴求した。
また、中継試合数については、「(2019年と比較して)900試合から2400試合にとてつもなく中継試合数が増える。そのためには、限られた人員で、開発の工夫を重ねている。関係者は高校野球を盛り上げたいという一心でやっている」(高野氏)と思いを語った。
バーチャル高校野球はiPhone/Android向けアプリのほか、PCサイトからも視聴可能。
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