ユーハイムは7月9日より、東京・表参道にあるミシャラク表参道で、AIバウム職人THEO(テオ)の焼きたてバウムクーヘンと、AIを活用してその人の好みに合ったコーヒーを提供する「オートクチュールコーヒー」が時間内に何度も試せるプランを開始した。8月下旬までの期間限定店舗となっている。
このプランは水・木・金のみ開催し、時間制限は60分。料金は2200円(税込)、30分ごと延長1100円だ。営業時間は12時~17時(最終受付は16時)。通常料金は、オートクチュールコーヒーが1杯715円(税込)、バウムクーヘンプレート(オリジナル)バター&ホイップは550円(税込)。
この期間限定店舗は、同社が考える「食のオートクチュール×テクノロジー」がテーマとなっている。
THEOは、ユーハイムが開発した、AIを搭載したバウムクーヘン専用オーブンだ。職人が焼く生地の焼き具合を、各層ごとに画像センサーで解析することで、その技術をAIに機械学習させデータ化して、無人で職人と同等レベルのバウムクーヘンを焼き上げる。
ベテランの菓子職人のほか、ロボット工学の研究者、AIの専門家、デザイナーらの協力により、5年がかりで生み出したという。
今回の店舗に登場するTHEOのレシピは、ドイツやオーストリアで修行を重ね、ユーハイムで長年バウムクーヘンの焼成を行ってきた熟練の職人、杉浦寛幸氏によるもの。
ユーハイム 代表取締役社長の河本英雄氏は今回の取り組みについて、「焼きたてのバウムクーヘンは、工場の中でしか食べられない特別なもの。でも、職人は焼きたてのバウムクーヘンを食べてもらいたいという思いがある。THEOが画像解析とAIで職人のこだわりをデータを学習することで、いつでもどこでも誰でも焼きたてが食べられるようになる」と説明する。
THEOはAIによる学習機能により、さまざま職人たちのもとに“弟子入り”して修行することでさまざまなバウムクーヘンを焼ける。THEOの弟子入り1号店は栃木県にある街の和菓子店「蛸屋」で、半年の修行期間を経て5月からTHEOを導入。蛸屋に続く、弟子入り2号店も予定されている。
オートクチュールコーヒーは、ミカフェートの技術協力によりユーハイムが開発した。ヒト型協働ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」(カワタロボティクス製)が「オートクチュールコーヒー」のドリップ作業の一部を行っている。
利用者は専用アプリをダウンロードし、アプリの項目に沿って「今日の午後は何をしている?」などの質問に答えると、AIによる最適な1杯が提案される。なお、6種類のベースコーヒーをもとに最大414種類のブレンドバリエーションがあり、その選定はミカフェートが協力している。
また、飲んだ感想をアプリからフィードバックすることで、アプリからの提案の精度は高まり、より「自分好みの味」に近づいていくしくみだ。お気に入りの一杯には名称をつけて保存し、QRコードを提示することで再オーダーができる。
こうしたオートクチュールコーヒーは、河本氏がフランスで経験したワインの選び方からヒントを得たという。
「フランスに住む人は、“自分のワイン”をいくつも持っている。その中から今日はこれにしよう、プレゼントするならこれにしよう、と選ぶ。それは買い方に理由があり、フランスの一番多いワインの買われ方はマルシェのワインショー。売り方は、250本ぐらいある中から3回ぐらい試飲を繰り返しながら、その人合ったワインをすすめる。買う側もそうして飲み続けていくことで、高いからとか、いいブランドだからということではなく、自分の体にあったものがわかる」(河本氏)
オートクチュールコーヒーも同様に何杯も飲むことで、好みが見つけられるようになる。今回のプランを利用することで、焼きたてのバウムクーヘンとともにお気に入りのコーヒーを見つけてほしいと語った。
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