LEOCは7月1日、特定給食施設向けAIメニュー・発注提案システム「Lappy(ラピィ)」の開発が完了したと発表した。
同社が提供する給食・栄養管理システム「L-Palette」のアドオンとして機能し、発注業務を行う管理栄養士・栄養士の業務をサポートするシステムとなる。
同社によると、2019年12月にメニュー提案機能を実装したテスト開発版が完成。その後、発注提案機能の実装を進め、今回の本開発版完成となった。
同社は全国約2600カ所の病院・介護施設などで、食事を提供している。その事業の要となるのが、事業所の柱である全国約3400名の管理栄養士・栄養士や、食材流通を日々支える仕入れ先だという。
一方で、栄養士業務は、献立作成をはじめとしたデスク業務、厨房業務、クライアントとの調整など、多岐に渡っている。中でも、発注業務はHACCPをもとにした独自の衛生管理をはじめ、多様な条件を考慮する必要があり、時間外労働の一因となっていた。
また、発注の誤差も出やすく、物流全体の約10%に相当する注文変更・キャンセルが発生。仕入れ先の負担、エネルギーコスト・フードロスの増大も課題となっている。
Lappyは、事業所の在庫量や食品庫の規模、各食材の使用期限など、多様な条件を考慮した購買計画を提案。これまで約8時間/週を要した発注管理業務が一事業所当たり45秒に短縮でき、エネルギーコスト・フードロスにつながっていた注文変更やキャンセルの量を低減可能。栄養士・仕入れ先双方の負担軽減に役立てられるという。
将来的には、深層学習の技術を応用し、天候による流通状況、事業所ごとの特性などを踏まえた食数予測・発注提案機能を実装する予定。
なお、2021年7月より、同社の食材流通子会社レオックフーズを利用する一部事業所からテスト運用を開始。9月からはテスト事業所を拡大し(約50カ所を想定)、改良を経て、年度内の全国展開を目指している。
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