コンカーは、日本CFO協会と共同で、日本企業の財務幹部を対象とした経費精算における不正に関する調査を実施。その結果を6月16日付けで公表した。調査対象は日本CFO協会会員を主体とした日本企業の財務幹部で、サンプル数は179。調査期間は2月26日から3月12日で、インターネットリサーチによるものとしている。
経費精算申請に対する支払承認を実施している経理・財務担当者に、経費精算における不正(軽微なものも含む)のリスクを感じるかどうか聞いたところ、「感じる」と答えた人が73%。なかでも、特にリスクが高いと思うものについては、「接待交際費」(37%)が一番多く、「出張費」(26%)と並んで金額が大きくなる傾向のある費目について、リスクが高いと感じていることが分かったという。
「経費精算の不正を見つけたことはありますか」という質問に対し、約7割の担当者が「ある」と回答。少額なものや故意でないものも含めても、経費精算における不正は少なくないと指摘する。「ある」と回答した人のみを対象に、見つけた不正の費目と金額を聞いたところ、多かった費目は「出張費」(33%)、「接待交際費」(24%)。また、金額は「1000円未満」が24%と、少額の不正も多くみられるものの、1~5万円以上の高額の不正が59%に上り、1万円以上の高額不正が半数以上になるという結果になったとしている。
「経費精算申請の内容チェックについて、どれくらい負担だと思いますか」という質問に対し、「負担になっている」と回答した人が79%。なかでも、「日付や内容などの整合性」(42%)、「接待交際費や物品購入費などの妥当性」(32%)など、金額だけでなく内容まで細かく確認する必要のあるものが特に負担となっていると指摘する。また、特に見落としやすいと感じる費目と、実際に不正を見つけたことのある費目について調査したところ、「接待交際費」と「出張費」がどちらも上位になったとしている。
「人による目視チェックだけで不正を見つけるのは難しいと思いますか」と聞いたところ、「そう思う」と回答した人が89%。「不正チェックをAIで実施した場合、業務が楽になると思う」と回答した人も86%と多く、AIを活用した不正検知への期待感が伺える。
経費精算の不正について、「経理部門が発見すべきだと思われている」と考えている担当者が7割。一方、「まず各担当部門で不正を発見すべき」と考えている担当者は93%と、 「不正を発見するべきは経理部門である」との自覚がありながら、まずは担当部門のチェックをしっかり実施してほしいと考えている担当者が多いとしている。
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