独ダルムシュタット工科大学のセキュリティ研究チームによると、Appleのファイル共有機能「AirDrop」はハッキングに対して脆弱である可能性があるという。同大学の研究者らは現地時間4月21日に公開した調査結果で、AirDrop機能の脆弱性によって、ユーザーの電話番号や電子メールアドレスが周囲にいる見知らぬ人に読み取られる可能性があると述べた。
この問題はAirDropで選択できる「連絡先のみ」オプションに起因しているようだ。このオプションでは、ユーザーの電話番号および電子メールが他者の連絡先リストにあるかどうかを確認する「相互認証メカニズム」が使われている。このプロセスにおいて情報はハッシュ化されるが、「ターゲットに物理的に近い」悪意を持った人物が情報を収集し、「ブルートフォース(総当たり)攻撃といった単純なテクニック」を使うことでプライバシー対策を素早くかいくぐることができるという。
研究者らは2019年5月にこの脆弱性についてAppleに通知したが、その後のソフトウェアアップデートでもこの問題は解消されていないという。
同チームでは、自分たちが開発した「PrivateDrop」という代替機能を勧めている。こちらは「脆弱なハッシュ値を交換」しないという。
米CNETはAppleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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