サムライインキュベートと仙台市は2月17日、同市が取り組む「起業家を生み育てるエコシステム構築」の一環として、持続可能な開発目標(SDGs)の達成につながる行政課題や地域課題を解決するビジネス創出支援プログラム「SENDAI NEW PUBLIC」を開催すると発表した。募集期間は2月17日〜3月2日。
同プログラムは、「事業計画のブラッシュアップ」または「事業コンセプトの創出」を支援するもの(応募者の状況に応じて、どちらかを支援)。創業期の起業家・スタートアップや大手企業の社内起業家を中心に出資・成長支援してきた同社のノウハウを生かし、1カ月程度の必要最低限の時間で成功確度を高められるという。
また、研究費の申請時に説明が必要な「研究の背景・目的」について、市場目線で具体化が可能としており、具体的な事業化に向けたパートナー候補とのマッチング支援や、全国のアクセラレータープログラムなどへの応募についても支援する。希望者にはシード出資も検討。選考結果が非採択の場合でも、最大週1回1時間程度の事業化アドバイス支援が受けられるという。
応募条件は、プログラム期間中の活動に参加可能であること(リモート参加も可)と、事業アイデアなどのプラン内容が公序良俗に反していないこと。選考は、新規性、将来性、実現性、適合性(仙台・東北地域でのシナジー/需要度など)といった4つを重視。応募者多数の場合は、選考によって支援者を採択する場合があるという。
研究成果やICTなど独自のテクノロジーを持ち、社会に役立てたいという想いがある人を対象としており、国籍・居住地・勤務地は問わず(仙台市在住・在勤以外も可)、個人・学生の応募も受け付ける。ただし、法人の場合は、概ね設立3年以内に限られている。審査結果は、3月5日に発表する。
仙台市は、2011年に発生した東日本大震災以降、女性の起業や社会起業が活発化し、「女性活躍・社会起業のための改革拠点」として国家戦略特区に位置付けられている。また、新たな雇用を生み出し、多様な働き方や生き方ができる起業を重要に捉え、「起業家を生み育てるエコシステム構築」に取り組んできた。
加えて、「高齢化の進展」「過疎化の進展」「働き方・ライフスタイルの変化」「経済構造の変化」など、さらに深掘りしたSDGsの達成につながる行政課題・地域課題を抽出。大学などの研究成果やICTを活用した課題解決事業のアイデアを公民連携でブラッシュアップし、実用化につながる支援を強化するという。今後仙台市と同社は、仙台市にとどまることなく、東北地域をはじめとする国内外の課題解決に貢献する事業や起業家を生み育てるエコシステムの構築を目指す。
なお、サムライインキュベートは2月18日に、Wellspringとの合同パッケージ「イノベーション戦略策定支援パッケージ」を同日より提供することも発表している。このパッケージでは3カ月のライセンスが付与され、4億以上の情報ソースとAI分析による探索で情報獲得を可能にするWellspringのクラウドソフトウェアScout(スカウト)機能と、イノベーション創出戦略や組織戦略構築を目的に、サムライインキュベートが提供するスポットイノベーションコンサルティングサービスを受けることができるという。
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