2020年、社会環境の変化から、Macに対する需要が非常に高まった1年となった。リモートワーク(欧米ではWork from home)、そして世界中で行われるようになったオンライン授業によって、個人でMacを買い求める顧客、買い換える顧客が増加した。
直近2020年第4四半期決算、Macの売上高は90億3200万ドル(29.2%増)と、大幅な増加となっており、iPadやウェアラブル部門を大きく上回る売上高で、iPhone、サービスの両部門に次ぐ規模に返り咲いた。
Appleは2020年にMacBook Air、13インチMacBook Proを刷新し、第10世代Intel Coreプロセッサを搭載したモデルを投入。さらに夏にはやはり第10世代Intelプロセッサを採用し、T2チップとSSDを標準搭載としたiMac 27インチを刷新した。
その一方で、6月に開催した世界開発者会議(WWDC)では、MacをIntelチップから独自設計のApple Siliconに2カ年計画で移行することを発表し、11月に開催したイベントで「MacBook Air」「13インチMacBook Pro」「Mac mini」の3モデルを登場させた。
2020年末の段階でのラインアップは以下の通り。価格はいずれも税抜価格で、各モデルは最小構成で示している。
M1はAppleが作ったMac向けチップだ。8コアCPUと8コアGPUに加えて、これらで共用するメモリを8GBもしくは16GB搭載する、エントリーモデル向けのチップからそのスタートを切った。
1コアあたりのパフォーマンスは2020年に採用したMacBook Pro13インチ向けの第10世代Intel Coreプロセッサの1.5倍ほどに向上しており、マルチコアの性能はMacBook Pro 16インチをも上回る。
メモリについては少ないように感じるかもしれないが、macOS Big Surによって効率的に活用することで、もし8Kビデオ編集をするとしても、8GBで対応できる。
そんなパフォーマンスでありながら、バッテリー持続時間を大幅に向上させているのも、M1チップの特徴だ。MacBook Proで日常的な仕事(ドキュメント作成、メールやSlackなどのコミュニケーション)をこなす限りでは、1時間に1%程度しか電池を消費しない。
Zoomなどのビデオ会議でも、1時間に12%前後のバッテリー消費で安定しており、MacBookでありながら、バッテリーや電源の心配をする必要がなくなるほど。
現状、エントリーモデル向けのチップとして登場したM1は、ベースのパフォーマンスを数十%ではなく数倍に引き上げながら、バッテリー持続時間を大幅に伸ばすことに成功した、多くの人にとって「夢のような」Macとなった。
学生、教員、ビジネスユース、カジュアルなクリエイティブユーザーまで、エントリーモデルのMacBook Airであったとしても、これまで以上の性能を手に入れることができる。
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