Appleは米国時間11月16日、Macで起動されたアプリがIDを取得済みの開発元のものであることを確認する「Gatekeeper」機能について、ログを取得する仕組みを変更したことを明らかにした。12日には、「macOS Big Sur」でアプリを起動するたびにアプリのハッシュ(固有の識別子)がAppleに送信されていると、サイバーセキュリティ専門家らが指摘していた。
セキュリティブロガーのJeffrey Paul氏によると、このデータ収集の結果、「アクティビティー履歴を送信および保存されることなく、自分のコンピューターを起動し、テキストエディターや電子書籍リーダーを立ち上げて、何かを読んだり書いたりすることもできない」という。
データ収集はmacOSのこれまでのバージョンでも実行されていたが、技術に詳しい一部のMacユーザーがデータ収集を防止するために使っていたツールが、最新バージョンであるmacOS Big Surを搭載するコンピューターでは機能しないことを、Paul氏は発見した。Appleは同OSを12日から一般提供している。
Appleによるデータ収集は、VPNを使っても免れることはできなくなっているとも同氏は指摘した。VPNは、プロキシーのIPアドレスによってユーザーの現在位置を隠すサービスだ。
Appleは今回、Gatekeeper機能によるIPアドレスのログを停止し、これまでに収集されたIPアドレスをログから削除することを明らかにした。また、同機能ではユーザーの具体的なMacを特定できる「Apple ID」などの情報を収集したことはないとしている。
同社は、今後1年のうちにさらなる変更を加えることも約束した。開発者IDの公証チェックにおける新たな暗号化プロトコルの導入、サーバー障害に対する保護の強化、およびこれらのセキュリティ保護からオプトアウトするための新たな設定項目の追加だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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