世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によって、サプライチェーンの混乱が起こったが、その後世界のPC出荷台数は再び増加している。リサーチ会社Gartnerが米国時間7月9日に発表したデータによると、2020年第2四半期のPC出荷数は6480万台に達した。小売店はPC用品の在庫を補充できるようになった。また、新型コロナウイルスの影響で自宅で仕事や学業をこなす人が増えたことに伴ってモバイルPCの需要も増加した。
同社のリサーチディレクターのMikako Kitagawa氏は「PCのサプライチェーンは新型コロナウイルス感染症の大流行によって、2020年初頭に深刻なダメージを受けた」としつつも、「しかし、このモバイルPC需要の増加傾向は2020年以降続かないだろう。出荷数は主に新型コロナウイルス感染症流行の影響による短期的なビジネスニーズによって増加したためだ」と語った。
Gartnerによると、メーカー別ではレノボ、HPの出荷数が最も多く、それぞれ1600万台以上となっている。1000万台のDell、約400万台のApple、Acer、ASUSがそれに続く。「iPad」と「Chromebook」はこのデータに含まれていない。
米国の調査会社IDCも9日午後、PCの出荷に関するデータを発表した。Gatnerのデータとはやや異なり、2020年第2四半期のPCの総出荷台数は7200万台だったとしている。IDCの調査でもメーカー別の出荷台数はHPがトップで、1800万台とされている。1700万台のレノボ、1200万台のDellがそれに続き、Appleは550万台、Acerは480万台のPCを出荷したと発表された。
IDCも、PC出荷数が増加した要因は新型コロナウイルスの流行だとしている。
IDCのMobile Device Trackersのリサーチマネージャー、Jitesh Ubrani氏は「在宅勤務やeラーニングのニーズに後押しされた旺盛なPC需要はこれまでの予測を上回るもので、PCは再びコンシューマーのハイテク製品ポートフォリオの中心になっている」と述べた。また、「学校や職場は再開している一方、予算は縮小しているため、この需要と高い水準での利用が、不況下、そしてコロナ後の世界に向かう中で持続するかどうかはまだ分からない」と指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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