香港国家安全維持法の制定・施行を受けて、米国のIT大手各社が香港政府によるユーザーデータ要請への対応停止を発表するなか、中国ByteDance傘下のTikTokが数日中に香港市場からの撤退を計画していることが米国時間7月6日に報じられた。また同日にはMike Pompeo米国務長官が、米政権が同アプリの禁止を検討していることを示唆する発言をした。
香港からの撤退について、TikTokの広報担当者はCNETシンガポールに対して「最近の出来事を踏まえて、香港におけるTikTokアプリの運営を停止することを決定した」と述べ、この動きを伝えたReutersの報道内容を認めた。
TikTokは、主に10代を中心とする若年層の間で人気の高いソーシャルメディアアプリで、音楽などに合わせた最大15秒の動画が投稿できる。同アプリを所有する中国企業のByteDanceは、現在世界で最も評価額が高い未公開企業となっている。
TikTokは、2020年第1四半期に人気が急騰し、Appleの「App Store」とGoogleの「Playストア」からのダウンロード数は20億回を超えていることが、調査企業Sensor Towerによって4月に報告されている。
しかし、このところ同アプリには厳しい監視の目が向けられている。米国では連邦議会の複数の議員がTikTokを国家安全保障上の脅威として批判。また陸軍と海軍は政府支給端末でのTikTokの利用を禁止した。
この話題に関連して、Pompeo米国務長官は6日夜、Fox Newsとのインタビューで、Trump政権がTikTokの問題を認識しており、同アプリの禁止を検討していると述べた。
最近ではTikTokが政治活動の手段として注目を集めることも目立っている。たとえばDonald Trump米大統領が先ごろオクラホマ州で開いた選挙集会の際には、TwitterにあるK-Popファンのアカウントをフォローするユーザーらが集会を妨害すべく参加チケットを大量予約していたことが話題になったが、この時にはTikTokで動画を使った呼びかけも行われ、再生回数は数百万回にも及んだとされていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」