英国の規制当局である競争・市場庁(CMA)は、GoogleとAppleによるブラウザー契約について、検索エンジンをめぐる競争の「大きな」障害になっているとして批判した。
CMAは現地時間7月1日、デジタル広告市場の現状を調査した新たな報告書(PDF)を公開した。
CMAは、Apple、Google、Facebookなどの大手テクノロジー企業とそのプラットフォームを適切に管理して規制するには、現在の法律では十分ではないと主張しており、特にさまざまな事業者間の取り決めがイノベーションや競争の障害になり得るとしている。
CMAは報告書の中で、GoogleとAppleが2019年に締結した契約について取り上げている。この契約でGoogleは、さまざまなモバイルデバイスおよびシステムでデフォルトの検索エンジンに採用してもらうために、英国だけでも約12億ポンド(約1600億円)を支払った。
CMAによると、この支払いの大部分はAppleに対するものだったという。
CMAは、「われわれが話を聞いたGoogleの競合検索エンジン各社は、検索市場での競争を阻害する最大の要因の1つとして、こうした金銭によるデフォルト検索エンジンの指定があることを強調した」と述べた。
他の検索エンジンの中には、「DuckDuckGo」、Microsoftの「Bing」、Verizon Mediaの「Yahoo」が含まれる。
Googleは、英国の検索広告市場で90%超のシェアを占めており、価値に換算すると推定73億ポンド(約9800億円)だ。
CMAは、検索エンジン市場でGoogleが占める支配的な地位(特に、英国ではモバイルデバイスの大半を占める)が、「他の検索エンジンの拡大を阻む障害」だとした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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