Appleは6月23日、年次開発者会議Worldwide Developers Conference(WWDC)で消費電力が少なく高パフォーマンスを実現する独自チップ「Apple Silicon(Appleシリコン)」を発表した。
これに伴い、開発者向けにQuick Start Program(500ドル)を立ち上げた。登録すると、A12Z Bionic System on a Chip(SoC)を搭載したMac miniとmacOSの次のメジャーリリースとなるmacOS Big Surの開発用ベータ版、Xcodeをセットにした「Developer Transition Kit(DTK)」が利用できる。DTKは返却が必要だとしている。
なお、Intelプロセッサ移行時に行われた同様の開発者プログラムは999ドルだった。
このほかにも資料やサンプルコードが提供され、developer.apple.comのフォーラムやDTSの優先サポートインシデント、世界中のラボへのアクセスも可能になるという。DTKもプログラムに含まれ、開発者は量産品が出荷される前に開発にとりかかれる。
Appleの最高経営責任者(CEO)であるティム・クック氏は、「今日はMacの歴史が変わる歴史的な日。Macを新しい段階へ飛躍させる大きな変革の話をする」とし、Apple Siliconを搭載したMacに移行することを説明した。
今回のApple Siliconは、AppleにとってPowerPCの採用、Mac OS Xへの転換、Intelへの移行に続く大きな変革になる。
Appleは、「ハードウェアとソフトウェアの統合はすべての基本であり、プロダクトが素晴らしい理由。シリコンはハードウェアの“核”」と語る。シリコンとソフトウェアの統合がアップルの強みだ。
今回発表したmacOS Big Surにより、Apple Siliconへの移行をユーザーにも開発者にとってもスムーズにし、Macのパフォーマンスも今まで以上に進化できるとした。2020年末までにApple Siliconチップを搭載した最初のMacを出荷し、2年ほどで移行を完了させる計画としている。
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