Amazon創業者で最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は、ハイテク業界の反トラスト問題を調査する米下院委員会で証言することに同意した。同氏はこれまで議会公聴会での証言に難色を示していたが、それに対して同委員会は必要ならBezos氏を召喚することも辞さない考えを示していた。
Bezos氏の決断は、反トラスト関連の問題でAmazonの側の代理人を務める法律事務所Covington & Burlingの弁護士Robert K. Kelner氏が同委員会に宛てた米国時間6月14日付け書簡の中で明らかにされた。
「われわれは委員会の調査に協力する方針であり、適切な幹部が証言できるよう準備する。これには、Jeff Bezos氏が他社のCEOとともに2020年夏に公聴会で証言することが含まれる」(同書簡)
Kelner氏によると、Bezos氏の証言の時期と形式についてはまだ調整が必要という。また同氏は、Amazonは調査の一環として求められた22万5000ページを超える文書を作成したとしている。
Bezos氏が証言する意向を示したことは、The New York Times(NYT)が15日、上記の書簡を引用して報じたほか、PoliticoでもAmazon広報担当者の話として報じていた。
Amazonを含む米IT大手各社は、独占的慣行の可能性をめぐって、連邦議会や司法省、連邦取引委員会(FTC)からの圧力に直面している。Amazonについては、同社がプライベートブランド商品を利用して、同社のプラットフォーム上で商品を販売するはるかに小規模な小売業者らと競争していることが、調査の主眼となる場合が多い。
この問題に関しては、The Wall Street Journal(WSJ)が4月に、Amazonの従業員が再三にわたって、Amazonマーケットプレイスを利用するサードパーティーの販売データを自社ブランド商品の開発と販売に利用していたと報じていた。この報道を受けて、Bezos氏に下院司法委員会の独占禁止法、商法および行政法に関する小委員会(Subcommittee on Antitrust, Commercial and Administrative Law)での証言を求める声が高まった。それに対し、Amazonは、自社には個々の販売業者のデータにアクセスすることを禁止するポリシーがあるとし、またWSJ記事の報道内容について調査していると付け加えていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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