Facebookは、Donald Trump米大統領の物議をかもす投稿を放置するという同社の方針に抗議した従業員を解雇した。この従業員は、別の従業員が「行動しなかったこと」をツイートで公に批判していた。
シアトルでエンジニアとしてFacebookに勤務していたBrandon Dail氏は米国時間6月12日、Facebookが開発したツールに関するウェブサイトに「Black Lives Matter」のバナーを追加するよう別の従業員に求めた後、職を失ったとツイートした。Dail氏によると、この従業員は政治的にしたくないとの理由で拒んだという。
Dail氏は2日、この従業員をツイートで名指しし、「意図的に見解を示さないことは既に政治的だ」とした。
Facebookは解雇に関するDail氏の説明が正しいことを認めたが、詳細は明らかにしていない。米CNETはDail氏にコメントを求めたが、回答は得られていない。
Facebookは、Trump大統領の投稿に対して何の措置もとらないことについて従業員から批判を浴びている。従業員や批評家は暴力を誘発しかねないと指摘している。6月に入り、大勢の従業員がFacebookの政治的発言への対応に抗議し、オンラインでのストライキという異例の行動をとった。Trump大統領は、ミネソタ州の黒人男性George Floydさんが死亡した事件の後に起こった抗議活動に対し、「略奪が始まれば、発砲が始まる」などと投稿していた。Facebookでは退職者が出ており、退職の意思を示す従業員もいる。
Facebookは、Trump大統領の投稿は、暴力の扇動を禁止する同社の規則に違反していないとし、同社は国家の武力行使をめぐる議論を認めているとしている。一方、TwitterはTrump大統領のツイートに対し、「暴力の賛美」を禁止する同社の規則に違反しているとの警告を表示した。警告部分には、クリックすればツイートを閲覧できる「表示」ボタンも含まれる。
Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏は先週、国家の武力行使をめぐる議論を許容する規則を含め、同社の方針を再検討する考えを明らかにした。11日には妻のPriscilla Chanさんとともに、Twitterに書簡を投稿し、Trump大統領の「分断を煽る扇動的な発言」に「深く衝撃を受け、嫌悪感を抱いている」としていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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