人権団体の指導者らが米国時間6月1日、Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏ら上級幹部との会合後、Facebookを厳しく非難する声明を出したとAxiosが報じた。この会合は、団体の指導者らが暴力を扇動するものとみなすDonald Trump米大統領の投稿を放置しているFacebookの判断について話し合うために実施された。
Leadership Conference on Civil and Human Rights、NAACP Legal Defense and Educational Fund、Color of Changeの代表者らは共同声明で次のように述べた。「Zuckerberg氏は、過去や現在のvoter suppression(有権者への抑圧)に理解を示さなかったし、Trump氏による抗議者に対する暴力の呼びかけをFacebookが助長している状況を認めることを拒んでいる。Markは、同様に危険な内容をFacebookで表明する他の発言者の非常に危険な先例を作っている」
会合は1日夜、ビデオ通話で行われた。これに先立ち、Facebookの従業員らは、Zuckerberg氏のTrump大統領への対応について、バーチャルストライキという形で異例の抗議を行い、怒りを表明していた。Twitterは、Trump大統領による同様の投稿を非表示にし、「暴力の賛美」に関するTwitterのルールに違反しているとの警告を表示するという対応をとっている。
Facebookの広報担当者は2日、米CNETに対し、電子メールの声明で、「人権団体コミュニティのリーダーらが、MarkとSheryl(Sandberg)に対し、時間を割いて率直で正直な意見を共有してくれたことに感謝している」とした。「話を聞くという重要な時だ。当社はこれらの会話を続けていくことを期待している」
ミネソタ州の黒人男性George Floydさんが警官による拘束中に死亡したことに対し、抗議運動が広がっている。Trump大統領は、Floyd氏の死に激怒した抗議者らが5月28日に警察署を放火した直後、Twitter、Facebook、Instagramに「略奪が始まる時、発砲が始まる」と投稿した。20世紀後半にアラバマ州知事を務めた人種分離主義者のGeorge Wallace氏がかつて用いたこの表現は、抗議者に対して警察が暴力をふるうことへの容認と見なされている。
Zuckerberg氏は29日、Facebookへの投稿でこう述べていた。「大統領の投稿を当社が放置していることに、多くの人が怒っているのは私も承知している。だが、当社の立場は、明確なポリシーに書かれている特定の害や危険の差し迫ったリスクをもたらすのでない限り、できるだけ幅広い表現を可能にすべきだというものだ」
「もし投稿が暴力をあおり立てるのであれば、報道価値があるかどうかに関わらず、それが政治家によるものだとしても削除されるべきだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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