仮想現実(VR)が少し現実に近づいた。AppleがスポーツのVR配信を手掛けるNextVRを買収したという報道が、米国時間5月14日に飛び込んできたためだ。
カリフォルニア州を拠点とする新興企業のNextVRは、NBAやウィンブルドンと提携して、会場に設置された特殊カメラから自宅にいる人々のヘッドセットに試合状況をライブ配信することで主に知られている。それによって、特等席で試合を観戦しているような気分が味わえる。NextVRは、音楽イベントや2016年の大統領選の一部の討論会の配信を手掛けたこともある。
ベンチャー企業データベースを運営するCrunchbaseによると、2009年創業のNextVRは1億1550万ドル(約120億円)の資金を調達済みだという。Appleは買収の報道を認めつつ、同社は「適宜、小規模テクノロジー企業を買収するが、通常、その目的や計画について言及することはない」と述べた。今回の買収については、9to5MacとBloombergが先に報じていた。
今回の買収は、Appleが拡張現実(AR)およびVRのヘッドセットの発表に向けて前進していることを示す最新の兆候だ。2018年の段階で、そのヘッドセットが2020年に予定されているという情報が米CNETに寄せられていた。そのヘッドセットは、実世界にコンピューター画像を重ねて表示するAR技術と、あたかもコンピュータープログラムの中にトランスポートしたかのような錯覚を与えるVR技術を利用するものになるとみられている。しかし、それよりも重要なのは、それが、2007年の「iPhone」、2010年の「iPad」、2014年の「Apple Watch」に続く、次なる主要製品の登場になる可能性があるということだ。
ヘッドセット市場に参入することになれば、Appleは、MicrosoftやFacebookとのさらに厳しい競争に身を投じることにもなる。Microsoftの「HoloLens」とFacebookの「Oculus」は、同市場をリードする製品であるとみなされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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