日本電気(NEC)、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、横浜銀行、ふくおかフィナンシャルグループ、ポラリファイは5月7日、デジタル時代に対応した効率的かつ信頼性の高い本人確認方法の利活用を推進するため、オンライン上で本人確認(eKYC:electric Know Your Customer)が完結するプラットフォームの提供で合意したと発表した。
金融業界では、2018年の犯罪収益移転防止法の改正により、オンラインで完結する本人確認方法として、「本人確認書類+銀行等への顧客情報照会」が認められた。金融機関の有する本人確認済情報は、認証基盤として注目されており、NECが主催する産業横断イノベーション研究会「API Economy Initiative」において、業種や業界の垣根を超えたオープンAPIの事例として、NECと複数の金融機関が共創して検討を進めてきたという。
こうした背景のもと、金融機関での本人確認済情報をより幅広い業種で安全に利活用できるように、NECがオープンでセキュアなプラットフォームを開発。ポラリファイは、KYC関連業務のノウハウやeKYCソリューションを提供する。参加する金融機関5社は、同プラットフォームを介し、各社が有する本人確認済情報(氏名、住所、生年月日など)を、本人の同意を得たうえで提供する。
事業者側のメリットとしては、これまで本人確認時に行っていた郵便などの送付コストや事務負担を削減することができるほか、サービス申込み時に入手するユーザー情報に加え、金融機関が持つ情報との照合が可能になるため、利用者の情報をより正確に把握できるとしている。
ユーザー側としては、口座開設時などに求められる本人確認が時と場所を選ばずオンラインで完結するため、サービスの早期利用開始が可能になるほか、運転免許証などの顔写真付きの本人確認資料を持たない利用者も本人確認がオンラインで完結する。さらに、サービス利用時に、本人以外の多くのユーザーがより厳格な本人確認を経ることで、より安心してサービスを利用できるようになるという。
同プラットフォームでは、参加企業間でプラットフォームの開発・接続に関する検討を進め、2020年6月より順次稼働を開始する予定。まずは、証券会社など厳格な本人確認が求められる事業者へのサービス提供を目指す。
今後は、幅広い金融機関への参加を呼びかけ、順次、接続する銀行を拡充させる方針。北海道銀行、七十七銀行、北陸銀行、西日本フィナンシャルホールディングス、東日本銀行など、十数行が参加を検討しているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス