米連邦通信委員会(FCC)は、6GHz帯を免許不要の利用に開放する新ルールを全会一致で承認し、この貴重な中帯域幅をWi-Fiルーターなどのデバイスに利用できる余地を広げた。新ルールでは、1200MHz相当の帯域幅を免許不要で利用できるようになるため、Wi-Fiに利用できる帯域幅は実質的に5倍近く広がることになる。
FCCはプレスリリースの中で、「これらの新ルールは、次世代のWi-FiであるWi-Fi 6に道を開くものであり、モノのインターネット(IoT)の成長に大きな役割を果たすだろう」とした上で、次のように述べた。「6GHz帯のかなりの部分を免許不要で利用できるようにすることで、FCCは、新たな革新的テクノロジーとサービスにより、米国の消費者に新しいデバイスやアプリケーションをもたらすとともに、すべての米国人、特に地方やサービスが行き届いていない地域の人々にブロードバンド接続を提供するというFCCの目標を前進させることを思い描いている」
新たなルールによると、免許不要のデバイスは、すでにこの帯域を利用している免許取得済みのサービスと帯域を共有する必要がある。FCCは、6GHz帯を開放するという考えを2018年に初めて打ち出した際、免許取得済みの利用者らから反発を受けた。AT&Tは、この帯域に関する8000件以上の免許を保有しており、それによってモバイルネットワークのバックホールだけでなく、固定電話回線の資産における通信網もサポートしていると指摘した。AT&Tは6GHz帯の一部について、公共の安全に関わるライセンス供与先や配電網などの重要なインフラを支えていることを強調した。
新ルールでは、2種類の免許不要の用途を認める。これにより、1200MHz幅の全帯域で、屋内における低出力での利用が可能になる。加えて、そのうちの850MHz幅では、屋外のデバイスを標準出力で利用できる。自動の周波数調整システムにより、既存のサービスと干渉しそうな場合には標準出力のアクセスポイントを無効にできる。
FCCは、出力が非常に小さいデバイスを6GHz帯で運用してデータレートの高い用途、例えばウェアラブル、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)デバイスに利用するという提案について、さらに意見を求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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