新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策の最前線に立つ、主要な保健機関の職員およそ2万5000人分のメールアドレスとパスワードがインターネットに流出し、Twitterで拡散したと、The Washington Postが米国時間4月22日に報じた。同紙によれば、世界保健機関(WHO)、米疾病対策センター(CDC)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、米国立保健研究所(NIH)、世界銀行といった組織が、このデータ漏えいの被害に遭ったという。
このデータを発見してその拡散について報告したのは、世界各地の過激派組織による活動をレポートしているSITE Intelligence Groupだと、記事は伝えている。ただし、このデータが、被害に遭った組織のシステムに対する攻撃によって流出したのか、以前に他のシステムで起こったデータ漏えいによって流出したのかはわかっていない。あるオーストラリア人のセキュリティ研究者はThe Washington Postに対し、WHOのものとされるパスワードを使って、職員のメールにログインが可能だったと述べている。また、武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)の職員のメールアドレスとパスワードもネット上に出回っている。この研究所は、新型コロナウイルスによる感染症が最初に確認された中国の都市、武漢の近郊にある。
WHO、CDC、世界銀行はコメントの依頼に応じなかった。NIHはこの件に関するコメントは控えたものの、「NIHにおける最善のサイバーセーフティーとセキュリティを確保し、脅威や懸念に適切に対処することに常に取り組んでいる」とした。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団は状況を注視しているとして、「今のところ財団ではデータ侵害の兆候はみられない」と述べた。 武漢ウイルス研究所にもコメントを求めたが、本稿掲載時点までに回答はなかった。
米CNETでは、今回流出したデータの一部について、アーカイブ版を発見した。The Washington Postによれば、あるネオナチ集団がこの情報をTwitterでシェアし、この情報を使って該当の組織の職員を攻撃するようあおっているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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