新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策により、全国的に在宅でのテレワークが広がっている。そこでの課題のひとつとして「運動不足」が挙げられる。筆者も在宅でのテレワークに入ってからは運動不足を感じているところ。健康維持の観点からも、この課題に向き合う必要があると考えている。
少し前の3月18日、テレワーク推進の活動を行っている企業連合「TDMテレワーク実行委員会」が、テレワークの相談会となる緊急ミーティングを開催し、筆者もその様子を拝見していた。TDMテレワーク実行委員会は交通需要マネジメント(TDM)の推進を目的とした企業連合。これは、テレワークの運用が長期化していることを背景に、課題やその解決方法をお互いに話し合うミーティングとなっていた。さまざまな課題が挙がったなか、運動不足も取り上げられていた。
相談のなかでは、歩く時間が減り、無理をして外に出ないことによる運動不足を懸念する声が挙がっていた。実際にアプリで計測すると、1日200歩程度という結果もあったという。また、以前にフルリモートワークへと踏み切った企業からは、従業員の体重が総じて増加し、産業医から指摘を受けたこともあったという。
こうしたなかでバランスボールを使って作業をしたり、アプリや配信動画を活用して運動するなどさまざまな取り組みが話されたが、有用なものとして挙がったのは“疑似出社”。始業する前に着替え、10分程度自宅付近を散歩するというものだ。そして、通勤時間が削減された分を、意識して運動に割り当てることも大事とまとめていた。
この疑似出社のような取り組みは、仕事へのスイッチを入れる意味でも、平常時であればかなり有用と思えるもの。現状においては、外出について在住地域における国や自治体などの法令や方針、要請などを考慮するのが大前提ではあるものの、人混みを避け、1人や限られた人数で散歩することは自粛することにあてはまらないとしているところがある。また、noteにある「新型コロナ専門家有志の会」における「緊急事態宣言で変わること・変わらないこと(4/7更新版)」では、不要不急の外出は避けるように促しつつ「お一人での散歩やジョギングなど、人との距離が離れた屋外での活動は、問題ありません。運動不足にならないように注意して下さい」との一文もある。周囲に注意しつつ、可能な状況であるのならば散歩する動機のひとつになると考える。
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