Facebookは匿名化された位置情報を利用したデータを研究者に提供し、人々が自宅にとどまっているかどうかを把握したり、新型コロナウイルスが次に広まる可能性がある場所を予測したりするのに役立てる。
この支援活動は、Facebookが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの病気との闘いを支援するにあたって、25億人近い月間アクティブユーザーから収集した膨大な量のデータをいかに活用しているのかを示すものだ。
もっとも、Facebookによる過去のプライバシー関連の不祥事を考えると、同社による位置情報の利用を快く思わないユーザーもいるだろう。Facebookの説明によれば、データは個々のユーザーを識別できないようにしたうえで、市や郡レベルの集計情報として提供されるという。Googleも、人々が社会的距離を確保しているかどうかを研究者が把握できるようにするため、位置情報を利用したレポートを米国時間4月3日に発表した。
Facebookは4月6日、人道支援や社会支援にデータを役立てる「Data for Good」プログラムの一環として、3種類の新しい疾病予防マップを発表した。1つ目のマップは、ある地域の住民が他の地域の住民と接触する確率を示すもので、COVID-19の新たな感染が次に発生する場所を研究者が予測するのに役立つ可能性がある。2つ目のマップはある地域の人々が自宅にとどまっているかどうかを示すもので、社会的距離が十分に確保されているかどうかを判断するのに利用できる。3つ目のマップは州や郡同士のつながりの強さを示すもので、やはり感染が広がる可能性の追跡に役立てられる。
Facebookは、カーネギーメロン大学のデルファイ研究センターとも協力している。同研究所では、人々に自分の症状や居場所を報告してもらう3~5分程度のアンケート調査を実施し、COVID-19の感染拡大を追跡するのに役立てている。
Facebookによると、同大学がアンケートへの回答をFacebookと共有することはなく、Facebookもユーザーのアイデンティティーを研究者らと共有せず、ランダムなID番号を利用するという。
同社はまた、ハーバード公衆衛生大学院および台湾の国立清華大学とデータを共有し、新型コロナウイルスの感染拡大を予測する活動を支援している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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