KDDIは3月23日、次世代通信サービス「5G」に関する発表会をオンライン配信形式で開催。5Gサービスを3月26日よりスタートすることを発表した。ソフトバンク、NTTドコモに続く発表で、今春から大手3キャリアが揃って5Gをスタートさせることとなる。
KDDIではこれまで「5Gは“ピカピカの4G”の上に展開していく」と繰り返し説明してきた。発表会でも同社代表取締役社長の高橋誠氏が、「5Gのネットワークと4Gのネットワークをハイブリッドで提供していくために、ベースの4Gネットワークはピカピカでなければならない。auの4Gネットワークは人口カバー率99.9%に加えて、2019年に約5万件の改善を行うなど整備してきた。その上に5Gネットワークを展開する」と説明。
提供エリアは、全国15都道府県の一部からスタートし、2020年夏以降に全都道府県主要都市に展開する予定だ。2021年3月末の目標基地局数は約1万局で、2022年3月までに2万局超を目指す。なおエリア展開について高橋氏は、発表会後に実施された質疑応答で「2022年度ぐらいには4Gと同等のレベルに持っていきたい」とも話している。
KDDIは「au UNLIMITED WORLD」をスローガンにかかげ、すでにデータ容量の上限設定のないプランを発表済みだが、今回5Gサービスの提供開始にあわせて、新たに「データMAX 5G」「データMAX 5G Netflixパック」を発表した。データ容量無制限に加えて、月間のデータ利用量が2GBを下回った場合、月額料金が自動的に割り引かれることが特徴だ。
また6月2日からは、4G向けにも同様の特徴を持つ新プラン「データMAX 4G LTE」「データMAX 4G LTE Netflixパック」を提供予定。このほか使用した容量にあわせて変動する「ピタットプラン」にも、5G対応の「ピタットプラン 5G」を導入する。
5G向けのプランはいずれも、4G向けのプランにプラス1000円という料金設定だが、2年間月額料金を1000円割り引く「5Gスタートキャンペーン」を適用。このキャンペーンに加えて、家族割プラスやauスマートバリュー、スマホ応援割IIなどの各種割引、キャンペーンがフルで適用された場合の料金は、「データMAX 5G」だと月額3460円からとなる。
このほか「Netflix(ベーシックプラン)」「Apple Music 」「YouTube Premium」に、KDDIとテレビ朝日が4月7日からスタートする動画配信サービス「TELASA(テラサ)」をフルセットにした「データMAX 5G ALL STARパック」(月額5460円から)も、6月以降に提供予定だ。
ALL STARパックの導入について高橋氏は質疑応答で、「Netflixとバンドルした料金プランの評判が良く、他の事業者も手を挙げてくれたのでいい形でパートナーを増やすことができた」と説明。全体として「かなり大胆な料金プランにしたつもりだ」と自信を見せた。
5Gサービスのスタートにともない、5G対応のスマートフォン7機種も発表された。すでに他社でも取り扱いが発表されている「Xperia 1 II」「Galaxy S20 5G」「Galaxy S20+ 5G」「AQUOS R5G」のほか、au独占扱いとなる「OPPO Find X2 Pro」、比較的お手頃価格の「ZTE a1」「Mi 10 Lite 5G」をラインアップする。
中国メーカー3社の採用について高橋氏は、質疑応答で「中国では5Gをいち早く展開し、加入者も多いと聞いている。ボリュームとして単価が抑えられる」と説明。実際に「Mi 10 Lite 5G」は価格が約3万5000円と、現状大手キャリアから発表済みの5Gスマートフォンの中では最安値となるようだ。
5Gスマートフォン向けには、「5Gスマートフォンを楽しみ尽くせるような動画体験を拡充した『au スマートパス プレミアム』を提供する」と高橋氏。加えて「5Gでは技術の話が先行しがちだが、大切なのはコンシューマーに向けて新しい体験価値をどうやって生み出すかや、ビジネスモデルをどう変えていくか。技術を前面に出す必要はないと思っている」と話し、コンシューマー向けに提供する新たな体験価値である「AUGMENTED EXPERIENCE」の数々を紹介した。
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