仕事にしろ遊びにしろ、PCの画面は広いほど使いやすくなる。オフィス作業では、1台のPCに複数のディスプレイを接続するマルチモニター環境を使う人も多いだろう。モバイル作業用には、専用のモバイルモニターを使用したり、タブレットを拡張ディスプレイに流用したりする方法もある。
これに対しAppleは、ディスプレイの背面から映像を投影し、背後の壁を拡張ディスプレイとして利用する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月12日に「HOUSING STRUCTURES AND INPUT-OUTPUT DEVICES FOR ELECTRONIC DEVICES」(公開特許番号「US 2020/0081492 A1」)として公開された。出願日は2019年4月12日。
この特許は、デスク上に置いて使うPC用ディスプレイのようなデバイスを対象とする技術。ただし、クレーム(請求項)の記述内容は細かく分割されており、もっとも重要な第1クレームで説明されている技術は、ディスプレイ背面に磁石で外部デバイスを装着し、ディスプレイ内部の回路と外部デバイスの回路を無線接続する、という内容にとどまっている。
これ以下のクレームも、ディスプレイ背面にガラスが組み込まれていたり、ディスプレイと外部デバイスとの無線接続にコイルを利用したり、といったアイデアが付け加えられる説明が続く。そして、第7クレームで、ディスプレイ背後の壁にプロジェクターで、左側および右側方向へ映像を投影する、とのアイデアが登場する。
ディスプレイ本体の表示と、壁に投影された仮想的な拡張ディスプレイの表示は連続していて、必要なときだけ画面を広げられる。プロジェクターはディスプレイ内部に組み込まれていても、ディスプレイ外部の左右に置かれていても、この特許は適用できそうだ。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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