飲食店即時予約システム「ビスポ!」を運営するBespoは1月23日、中国最大のモバイル決済サービス「アリペイ」(Alipay)と協力し、アリペイのユーザー向けに日本国内にある飲食店の即時予約サービスを2月初旬より順次提供すると発表した。
アリペイ上で日本の飲食店が予約できるサービスを提供するのは初という。ビスポ!の「真に自分のニーズを満たす優良店に出会う」というコンセプトと、アリペイユーザーである訪日中国人観光客の「日本での食事を充実したものにしたい」というニーズが合致したことから、今回の連携に至ったという。
今回の取組みにより、アリペイのミニアプリにビスポ!の飲食店即時予約システムが連携され、ユーザーは同アプリ上で人数・日にち・時間などの条件を選択するだけで、日本の飲食店が予約可能になる。
予約可能な飲食店は、アリペイ決済に対応している店舗で、予約から店頭での支払いまでワンストップで利用できる。予約の際は、ノーショー対策として予約手数料330円(人民元で約20元、1元=16.5円換算)を事前に支払う必要がある。
予約手数料は、提供開始後3カ月の間はキャンペーンとして165円(約10元)/人とし、「アリペイ」アプリ内でもプロモーションを実施するという。
同社が運営するビスポは、チャットで飲食店の予約ができるのが特徴だ。LINE公式アカウント(@bespo)上でユーザーが利用希望の時間や人数、予算、料理ジャンル、エリアをリクエストすると、条件と合致した飲食店とユーザーをマッチングする。
バックグラウンドで「トレタ」「TableSolution」「ebica」「ヒトサラ」の予約台帳と連携しているため、当日でも空席をリアルタイムで案内し、予約を即時確約できる。
Bespo 代表取締役 CEOの高岳史典氏は、自身も飲食店を運営する経験から、予約のドタキャンやノーショーは、「物理的に食材の問題、精神的な問題、他に入れられたかもしれない機会ロスの3つのダメージがある」と話す。
一方で、飲食店は当日予約が半分を占めていると言われるが、予約台帳と連携していない一般的な飲食店予約システムは、当日は「電話」で確認するよう求めていることが多く、「当日になればなるほど電話予約が多くなる」(高岳氏)という問題も抱える。
飲食店は、ビスポ!と連携するいずれかの予約台帳システムを利用している必要があるが、そうした問題をリアルタイム予約ができるプラットフォームで変えていこうという試みだ。なお、一般的な予約システムでは送客手数料によってサービス収益を得るが、ビスポは飲食店から手数料を徴収しない。
「送客手数料自体が飲食店を苦しめている現状」とし、企業とのコラボレーションによるマーケティング費用として収入を得るという。「たとえばビール会社がLINEアカウントにビスポを搭載したとする。すると、お店の予約表示を、一番搾りやプレミアムモルツだけを飲める店を表示でき、自分たちの商品を取り扱っているところに送り込める。販促デジタルマーケティングと一緒になって幾ばくかのお金をもらいながら連携していく、それが企業連携の考え方」(高岳氏)。
今後は、インバウンドの強化に向け、アジア向けを強化していくほか、欧米に対応するための提携を模索しているという。「ミッションは、テクノロジによって飲食店とお客様の課題を解決しサポートしていくこと」と語った。
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