ご紹介したのは、あくまで小学生でも所持している端末でインターネットやSNSが使える一例にすぎない。都内の小学校高学年ではすでにスマートフォンを所持している例も多く、スマホなら当然あらゆることができてしまう。
筆者が考える、低年齢の子どもがネット・SNSで誘拐されないための家庭での対処法は次のとおりだ。
まず、子どもが利用する端末でできることを知り、ペアレンタルコントロール機能など、保護者ができる機能制限方法を知ること。制限すべき機能はしっかりと事前に制限しておいてほしい。
同時に、子どもとインターネットやSNSの利用について約束を取り決めておいてほしい。ただ禁止するだけでは隠れて使われてしまい、被害にあってしまうこともある。隠れて被害にあった場合、保護者に相談できずに被害が拡大する傾向にあるため、あくまで子どもと話し合って約束を決めることが大切だ。
インターネットやSNS経由でどのような被害が起きているのかについてや、リスクについても子どもに教えてあげてほしい。たとえば、今回の場合は、ネットで知り合った大人と直接会うことのリスクとなるだろう。このような事件を通して、子どものリテラシーや警戒心を高めることはとても大切だ。
ただし、SNSは悪いものではなく、子どもによってはセーフティネットの役割を果たすこともある。もしSNSを利用させる場合は、子どもがどのようなサービスを使い、誰と交流しているのか、何を発信しているのかなどについて普段から会話して知っておくことが大切だ。
一番大切なのは、トラブルが起きた場合は必ず保護者に相談してもらえる関係性だ。「いざというときには絶対に味方をする」ことを伝え、普段から子どもの利用を見守るようにしていただけると幸いだ。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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