GAテクノロジーズは12月9日、高級賃貸サービスサイトを運営するモダンスタンダードをグループ会社化すると発表した。累計約6万人の会員を持つ「RENOSY(リノシー)」にモダンスタンダードの累計会員7万人を加え、会員数を約2.2倍にすることで、成約数の大幅増を見込む。
同日に株式譲渡契約を交わし、モダンスタンダードの株主から株式の一部となる67%を取得。2020年1月中旬に株主との株式交換により100%子会社化する計画だ。モダンスタンダードは2020年1月15日に役員体制を変更。代表取締役は松田啓介氏がそのまま続投し、取締役にGAテクノロジーズ代表取締役社⻑CEOの樋口龍氏が就く。
モダンスタンダードは2009年に設立。「日本の不動産テックにおけるメディアの先駆けとなる会社。GAテクノロジーズの創業当時からずっと一緒にやりたいと思っていた」と樋口氏は思いを明かす。
高級賃貸の仲介が主な事業で、顧客の42%が年収1000万円以上の高所得層。赤坂、青山、麻布の「港区3A」と呼ばれる高級エリアにおいて、業界トップレベルの認知度を誇り、サービスサイトの月間PVは約100万、MAUは約20万に及ぶ。
「ネットとリアルの両方を展開する高級賃貸メディアのリーディングカンパニー。代表を務める松田(啓介氏)は、不動産のメディアに対して深い知見がある。この領域において、メディア、不動産のどちらか一方に詳しい人物は多いが、松田は両方に詳しい。この知見はリノシーの成長に寄与してくれると思っている」(樋口氏)とグループ会社化する目的を話した。
目指すのは、リノシー事業とのクロスセルだ。モダンスタンダードのサービスサイトから、売買、リノベ、不動産投資への送客を見込む。「メディアパワーを最大限に活用できる」(樋口氏)と親和性の高さから大きなシナジー効果を見込む。
一方、モダンスタンダードは、GAテクノロジーズが持つ開発力に期待を寄せる。「当初はGAテクノロジーズとともにどんなことをやりたいのかすぐにわからなかった。しかし話し合いを続ける中でやりたいと考える事業の組み上げ方が大変よく似ていることに気づいた。加えて先を見据えたリソースを保有するなど、ビジネスの想像力を掻き立てられるアセットを持っている」(松田氏)と評する。
さらに「事業をやっていく上でエンジニアを社内に置くことはすごくコストがかかる。サードパーティといかに上手なアライアンスを組むことに東奔西走していたが、GAテクノロジーズのエンジニアと話すと、体験したことのないレベルで早く話が進んだ。やりたいと思うことがすぐにフィードバックとして返ってくる」(松田氏)と続け、開発環境の違いを話した。
樋口氏はGAテクノロジーズと同様に顧客でワンストップで物件を提供するモダンスタンダードのビジネスを紹介し「20年前はインターネットでモノが購入でき、検索ができればよかった。しかしアマゾンは10~15年先を考えて物流施設を作った。なぜなら、顧客はスピードを求めることがわかっていたから。顧客は現段階でできる以上のことを求める。そうなるとワンストップで提供するしかない。GAテクノロジーズとモダンスタンダードが組むことで、変わって来なかったこの業界にイノベーションを起こしたい」とコメントした。
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