中国の通信事業者に対し、携帯電話の新規契約時にユーザーの顔をスキャンすることが義務付けられるようになったことが報じられている。現地時間12月1日に正式に開始されたこの「顔認証による身元確認」の義務化により、新しい携帯電話番号の登録を希望する顧客は、頭を動かして瞬きする様子を記録しなければならない。この義務化は、サイバー空間の統制を強化して詐欺を取り締まることを目的とした中国の計画の一環だ。
AFPの12月1日付けの記事によると、中国工業情報化部は9月に、今回の変更に関する通知を公表したという。AFPが入手したこの通知には、通信事業者は「人工知能やその他の技術的手段」を利用して、新しい携帯電話番号を取得する個人の身元を確認しなければならないと記されている。また、工業情報化部は引き続き「監視と検査を強化」していくと記されているという。
同国の3大通信事業者である中国電信(チャイナテレコム)、中国聯合通信(チャイナユニコム)、中国移動通信(チャイナモバイル)は国有企業だ。この法律が既存アカウントにどの程度適用されるかは現時点では不明だと、Reutersは報じている。
中国では、顔認証の実用化が急速に拡大している。世界を代表する顔認証企業のうちの2社である北京曠視科技(メグビー)と商湯科技(センスタイム)は中国企業だ。スーパー、地下鉄システム、空港では既に、顔認証技術が利用されている。Reutersによると、Eコマース企業の阿里巴巴集団(アリババ)は、傘下の一部の店舗で顔認証による支払いを可能にしているという。
中国は2020年までに、顔認証、人工知能、スマートメガネなどの技術を利用して、14億人の国民すべてに対して行動に基づく個人スコアを付与し、国民を監視して格付けすることを計画している。この計画に対し、米当局からはプライバシーに関する数多くの懸念が指摘されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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