日本電気(NEC)とFiNC Technologiesは11月27日、NECのIoT技術とFiNCの法人向けウェルネスサービス「FiNC for BUSINESS」を組み合わせ、美しい歩行姿勢へ導く歩行センシングインソール「A-RROWG(アローグ)」を開発。クラウドファンディングサービス「Makuake」で先行予約販売を開始した。支援金額は2万円(税込)で、限定割引として1万7000円からスタートしている。発送は2020年5月末を予定。
A-RROWGは、NECの小型の歩行分析センサを搭載した専用インソールとその人の歩容(歩行の質)状態をチェックしてアドバイスを行うスマホアプリで構成される。通常使用している靴にインソールを入れ、日常の姿を分析することで「ありのままの歩容」を可視化できるのが特徴だ。
歩行分析センサは、歩いている状態のみ検知・起動して消費電力を抑える設計で、電池寿命は約1年間。リチウムコイン電池を内蔵する(交換不可)。
これまでの歩行分析実績から導き出された理想の歩行と最先端の歩容センシング技術により編み出された、NEC独自の「歩容推定モデル」を活用。センサが計測した歩行軌跡を基に、歩行速度、歩幅、接地角度、離地角度、足上げ高さ、外回し距離を取得して歩容を推定する。
FiNCはこの推定結果から、アプリ上で行われるその人に合わせた理想的な歩容のアドバイスやトレーニングメニューの監修を担当する。
メインターゲットは、30代~40代の男性ビジネスパーソンだ。NEC 執行役員の藤川修氏は、「ある年代になると、品格がある人に見られたいという思いがある。品格を特徴づける要素として、良い姿勢と言われている。カッコよく品格をもって歩く、それが健康につながる大切な一歩」と語った。サービス名A-RROWGには、「ARROW GRAND(品格ある人へ)」という想いを込めたという。
なお、対応するインソールのサイズはSサイズ(23.5~24.5cm)、Mサイズ(25.0~26.0cm)、Lサイズ(26.5~27.5cm)の3サイズ。インソールのサイズが合えば女性でも問わないとしているが、ヒールがある靴では正確な測定ができないため、スニーカや革靴などの靴を推奨している。なお、走っている時の姿勢などには対応せず、通常の歩行のみだ。
なぜNECが歩行センシングインソールなのか。NECは2017年にFiNCに出資し、ヘルスケア領域で協業をスタートしている。そうした中で、FiNC 代表取締役社長の溝口勇児氏がNECの中央研究所を訪れ「埋もれていた技術に目を付けた」(藤川氏)と経緯を説明した。
クラウドファンディングを選んだのはマーケティングのためだ。「市場の声を早く聞き、必要であれば、商品開発に反映したい。資金の問題でクラウドファンディングをするわけではない」(藤川氏)
今後は、女性層への展開、またB2Cを起点に保険組合向けのB2Bサービスなどにも展開する。NECは、これらのサービスにより2022年度に150億円の価値を創出を目指す。
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