ワコムとスタートバーンは11月26日、スタートバーンが開発するブロックチェーン活用のアート評価・流通インフラ「Art Blockchain Network」(ABN)と、ワコムの「デジタル署名認証技術」を連携したデジタルアート作品の権利保護および、流通基盤構築へ向けて協力することに合意したと発表した。
ワコムが開発を進めるデジタル署名認証技術「WILL(Wacom Ink Layer Language)」を、ブロックチェーンの証明書で作品の流通・著作権管理が可能なABNと連携させることで、ペンタブレットなどで創作活動をするクリエイターが自分の作品の権利を明らかにし、二次流通市場で発生した還元金を収益源とすることが可能になるという。
WILLは、非営利団体による環境整備によってOSやハードウェア、アプリケーション、クラウドサービスなどの垣根を越えて、互換性を気にせず共有・編集できることを目指している。同技術とABNの組み合わせにより、クリエイター自身はOSやハードウェアなどを気にせずにABNを活用し、作品の権利を守りながら作品を提供することが可能になるという。
なお、WILLでは、作者自身の筆跡による「デジタルシグネチャ」が作品に付与される。この情報は、ABN上で作品証明書のサインとして扱われる。
スタートバーンでは、タブレットやスマートフォンなどのデジタルデバイスで創作活動をする人が年々増加するなか、デジタル形式で制作された作品はデータの複製が容易なため、真正性と唯一性を担保した状態でアート市場に二次流通させることが難しく、これまでペンタブレットが普及する一方で、作品の流通市場の形成は進んでいなかったとしている。
こうした作品が流通することで、その作品を扱うコレクターやギャラリー、オークションハウスなどが、真正性と唯一性を担保したデジタル作品を、これまでのアートと同様に市場で取引することが可能になる。両社は、デジタルアート作品の権利保護および流通基盤構築を通じて、デジタルクリエイターを支援。国内外で展開することで、デジタルアートのさらなる興隆に貢献することを目指すとしている。
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