耳に装着して音声アシスタント機能などを利用するウェアラブルデバイス、いわゆるヒアラブルデバイスが注目されつつある。Appleの「AirPods Pro」、Amazon.comの「Echo Buds」、Microsoftの「Surface Earbuds」、Googleの「Pixel Buds」など、大手ITベンダーのスマートイヤホンも出揃った。
こうしたデバイスに適用できる技術として、Appleはタッチ操作で制御するヘッドホンを考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月19日に「ELECTRONIC DEVICES WITH ORIENTATION SENSING」(特許番号「US 10,484,793 B1」)として登録された。出願日は2016年8月24日。
この特許は、オーディオ再生用のスピーカーが左右に設けられ、そのスピーカーをイヤーカップで覆っているヘッドホン型のデバイスに関するもの。イヤーカップの表面にはタッチセンサーがあり、指が触れたり、触れた指が動かされたりする情報を取得できる。
ステレオ音声を再生する場合、通常は、右チャンネルの音を右耳用スピーカーから、左チャンネルの音を左耳用スピーカーから出すが、同特許のヘッドホンには左右の音を入れ替えて出力する機能を持たせる。そのうえで、この入れ替え機能のオンとオフを、イヤーカップに対するタッチ操作で実行できるようにする。
センサーは指の動きも認識可能となっており、ジェスチャーを音量調整や音楽再生制御などの機能にも割り当てられる。
また、右手と左手のどちらでイヤーカップをつかんだか区別することで、ヘッドホンの左右が正しく装着されているかを識別できる。その装着方向に応じて、左右のチャンネルを入れ替えて再生するかどうか自動的に切り替えられる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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