クレディセゾンは11月12日、スマートフォン証券サービス「セゾンポケット」を提供開始した。同サービスは、スマートプラスとの共同開発となる。
セゾンポケットは、投資に対する「怖い」「面倒」「わからない」といったハードルを解消し、より多くのユーザーに投資の機会を提供する同社クレジットカード会員向けの積立投資サービス。セゾンカード・UCカード決済で購入でき、月々1000円から積立投資を始めることができる。原資は、カード決済以外にも、同社のポイントプログラム「永久不滅ポイント」から投資することも可能だ。
積立投資は、セゾン投信が運用する「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と、「セゾン資産形成の達人ファンド」の2種類から選択可能。また、クレディセゾンが選定した100以上の上場企業の株式も、毎月5000円から積立投資できる。また、長期投資を促すための目標設定機能や、6回の積立ごとにポイントを付与する仕組みも用意。長期での投資を促している。
そのほか、口座開設から購入まで、すべて会員専用のスマートフォンアプリやウェブサイトで完結できるのも特徴だ。クレジットカード会社が持っている情報を活用し、あらかじめ記入項目を埋めることでユーザーが入力する項目を削減。マイナンバー書類と本人確認書類の画像をアップロードするだけで最短翌日には口座開設が可能。手続きが済めば、自動でつみたてNISAへの口座開設も完了する。
クレディセゾンは2016年12月より、永久不滅ポイントを活用した疑似投資サービスを提供している。こちらもサービスを拡充し、セゾン投信が運用する投資信託連動型の「グローバルバランスコース」と「資産形成の達人コース」を追加。これにより、ポイント運用サービスは、投資信託6コース、株式3コースから選択できるようになった。
11月7日の発表会では、クレディセゾンでアセットマネジメントビジネスオフィサーを務める美好琢磨氏が登壇。「有価証券のリスクをなくすことはできないが、永久不滅ポイントを100ポイントから活用してもらうことで心理的ハードルを下げることはできる」と、サービスのメリットを語った。
また、スマートプラス親会社でFinatext代表取締役の林良太氏が、セゾンポケットで採用された証券ビジネスプラットフォームサービス「BaaS(Brokerage as a Service)」について解説した。
BaaSは、証券サービスを提供する上で必要な、ブローカレッジ業務、注文執行をプラットフォームで提供するサービスで、企業が証券サービスを開発する際に発生するコストや時間を大幅に短縮することができる。これにより、他業種からの証券サービス参入が可能となり、すでに顧客基盤を持つ企業が、新しい収益を得られたり、顧客あたりのLTVを引き上げることが可能だ。
証券サービスの開発には専門の人材を採用したり、金融庁への登録をしたりと手間やコスト、時間が必要となり、証券システムの開発費は一般的には10億はかかると言われている。BaaSを活用することで、1~2億に抑えることができると林氏は語る。今回のクレディセゾンとの協業は、BaaS導入の第一弾であり、林氏は今後3年で10社のパートナー企業を作りたいと語った。
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