Appleが同社の「HomeKit」プラットフォーム関連の人材採用を積極化させていると、Bloombergが米国時間28日付の記事で報じている。「iPhone」によりスマートフォン市場で確固たる地位を築いた同社だが、スマートスピーカ―、スマートホーム関連製品、それに音声AI「Siri」の展開ではいまだにGoogleやAmazonに大きく水を開けられている。Appleの新しい「HomeKit」製品が登場する日が果たして来るのだろうか。
Bloomberg記事によると、Appleはこの1カ月の間に「HomeKitプロトコルエンジニア」「HomeKitソフトウェアエンジニア」「HomeKitパートナーエンジニア」など、合わせて15の職種の求人情報を追加しているという。
同記事によると、この取り組みを率いるのは元Mozilla幹部のAndreas Gal氏。同氏は、2018年にSilk LabsがAppleに買収されたのに伴いAppleに入社したという経歴の持ち主。AppleがSilk Labsを買収した目的は、IoT機器を接続する同社のAIプラットフォームだった。なお上述の求人情報では、ワイヤレス、バッテリで動作する機器の開発、カメラモジュール、サプライチェーンの専門知識を保有することが応募の条件とされている。
「HomePod」は、魅力的なデザインや最高級のスペック、素晴らしいサウンドなどを有しながらも、販売台数の点では競合製品の後塵を拝している。その理由としては、高額であること、低価格版がないこと、そしてHomeKitプラットフォームに対応するサードパーティー製品の数が限られていることなどが挙げられている。HomeKitに対応する機器の数は現状で450製品ほど、それに対してGoogleやAmazonのプラットホームに対応する機器はそれぞれ数千種類に上る。
Appleがスマートホーム分野での出遅れを埋め合わせようとしているなら、チャンスは今しかない。新しいApple製ハードウェアを発売しないにしても、少なくとも既に販売されているサードパーティー機器との互換性を高めることができる。なお、この件に関してAppleにコメントを求めたがすぐには回答を得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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