SB C&Sは10月11日、中国に拠点を置くスタートアップ3社のスマート家電の取り扱いを開始すると発表した。いずれもシャオミ関連企業で、シャオミが持つエコシステムを使った製品開発をしていることが特徴だ。第1弾として、Roborock(ロボロック)のロボット掃除機「Roborock S6」の販売を開始する。
SB C&Sは、IT関連製品の製造・流通・販売などを手掛けるソフトバンクのグループ会社。自社開発によるIT関連機器の製造、販売をするほか、販売代理店として国内外メーカーの製品も取り扱っている。
取り扱いを開始するのは、Roborockのほか、スマート照明のYeelight(イーライト)、空気清浄機などを取り扱うSmartmi (スマートミー)の計3社。「いずれもシャオミーが提供するエコシステムを活用できる立場にある会社。シャオミーのエコシステムは、マーケットの声を聞いて製品に反映することを10年近く続け、作り上げたもの。ユーザーの声をメーカーに提供することで、ユーザーが望む製品をつくりやすくなる」とSB C&S 常務執行役員新規事業本部長の瀧進太郎氏は説明する。
第1弾として発表された、Roborock S6は、吸い込み掃除と水拭き掃除が1台でできるロボット掃除機。最大2000Paの強力な吸引力を持つほか、2段階の水量調節ができる水拭き掃除が可能だ。14種のセンサーを内蔵し、掃除をしながら部屋の形状をマッピング。他社のロボット掃除機に比べ、効率的なルートで掃除できることが特徴としている。Yahoo!ショッピングなどで10月18日に発売し、ECサイトにおける販売価格は7万4800円になる。
開発したロボロックは、2014年に北京で設立。2016年からシャオミーのロボット掃除機を販売し、1年で掃除機の販売台数が累計100万台を突破したという。社員数は500人以上で、うち40%が研究開発に携わっているという。
スマート照明を手掛けるイーライトは、約7年前に会社を設立。調光、調色ができるスマートLED電球を取り扱っている。5年前にシャオミーの出資を受け、その後急速な成長を遂げたとのこと。2020年には、充電ができるワイヤレスのデスクライトなどの発売を計画中だ。
スマートミーは、創立から5年。現在約180人の社員を抱える。2018年の売上高は30億元で、2017年の販売台数は300万台。中国における空気清浄機の市場シェアはナンバーワンだという。空気清浄機のほか、バッテリを内蔵した扇風機「SmartmiDC扇風機」や加湿器などもラインアップしている。
スマートミー CEO博士のSu Jun(スー・ジュン)氏は「シャオミーのプラットフォームは最高のもの。IoT製品に関する多くの専門家も抱えている。リソースは提供するけれど、コントロールはせず、あくまでもコラボという関係性を保ってくれている。チームメンバーも多いため、製品開発における効率性を大幅に改善できる」とシャオミーエコシステムに参加するメリットを話した。
また「会社の成功に必要なのは、いい商品を作り、それを広く知ってもらうこと。それをスタートアップだけでやるのは難しい。シャオミーはその部分もサポートしてくれるため、結果としてスタートアップは製品づくりに集中できる。そうしたサポートを得ることで、スタートアップは生き残りやすく、成長しやすくなる」(ジュン氏)とコメント。ロボロック CEOのChang Jing(チャン・ジン)氏と、イーライト CEOのEric Jiang(エリック・ジャン)氏も、「まったく同意見」とした。
SB C&Sでは、ロボロックに引き続き、イーライト、スマートミーのスマート家電の取り扱いも順次開始していく予定だ。
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