Microsoftは米国時間10月2日にニューヨークで開催した「Surface」イベントで、Surfaceシリーズの最新製品を発表したが、その1つとして、ARMチップ搭載の低消費電力ノートPCを再び投入した。しかも搭載されているのはただのARMチップではなく、MicrosoftがQualcommと連携して独自に設計した「SQ1」プロセッサだ。
Microsoftが「Wintel複占」の力で商業的に大成功を収めたのは20年以上前のこと(Wintelとは、Microsoftの「Windows」ソフトウェアとIntelのプロセッサの組み合わせを指す造語)。しかしいま、MicrosoftはWindowsがARMベースのチップを搭載するPCで動くようにしようとしている。ARMベースのチップは、Qualcomm、Apple、サムスンなどの各社が既に手がけており、すべてのスマートフォンに採用されている。
MicrosoftがARMチップ搭載のSurfaceノートPCを投入するのは今回が初めてではない。同社は、第1世代のSurfaceノートPCをリリースした際、「Surface RT」にNvidiaが設計したARMベースのプロセッサを採用していた。またHP、サムスン、レノボ、ASUSなどのPCメーカー各社からもQualcommチップを搭載するWindows PCがリリースされている。
ARMチップは、単純な処理能力という点ではIntelチップにかなわない。しかし、速度とバッテリ寿命のバランスという点で、SQ1のメリットは大きいとMicrosoftは考えている。
このSQ1には、AIソフトウェアを加速化するための専用回路も搭載されている。AIは、音声認識や写真編集などの処理を大きく前進させるコンピューティング技術だ。
ただし、ARMベースのWindowsノートPCには、1つ大きな注意点がある。それはソフトウェアの互換性だ。Microsoftは、WindowsをARM用に移植し、ソフトウェア開発者らにもそれぞれのアプリを移植するよう懸命に取り組んでいる。Microsoftが今回発表したSurfaceノートPCは、開発者らが腰を上げるきっかけになるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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